ネイルの過程にかかる時間について
色とりどりのパレットから選び抜いた色や、自分だけのオリジナルデザインを指先に映し出すジェルネイル。その美しさを眺めているだけで、心が躍り、気分が上がります。
しかし、ネイルアートの世界に足を踏み入れるのが初めての方々にとって、気になるのはその過程にどれくらいの時間が必要なのか、という点でしょう。自分の理想とするデザインを決め、ジェルを塗り、そして塗ったジェルを乾燥させるといった一連のステップを踏むため、思った以上に時間がかかるかもしれません。
そこで、今回はジェルネイルの施術に要する時間について詳しく説明します。ネイルサロンに行くのが初めての方や、ネイルサロンに行くことに少し不安を感じている方は、この記事を参考にして、ネイルサロンでの過ごし方を計画してみてください。ネイルアートの楽しみ方を最大限に引き出すための一助となれば幸いです。
デザインの種類とそれぞれの所要時間
ジェルネイルはその美しさと持続性から多くの人々に愛されていますが、そのデザインの種類によって施術にかかる時間は大きく異なります。ここでは、主要なデザインとそれぞれの所要時間について詳しく説明します。
ジェルネイルの施術時間は、サロンや担当者によって異なりますが、ここではジェルネイル技能検定を基準に時間を算出しています。デザイン選びに迷っている方は、この情報を参考にしてみてください。
ワンカラー
ワンカラーは、全ての爪に一色を塗るシンプルなデザインです。アートや装飾がないため、派手なネイルが好みでない方や、仕事や学校の規則で派手なネイルが許されない方におすすめです。また、他のネイルメニューよりも価格が手頃なため、コストパフォーマンスを重視する方にも適しています。
全ての爪に同じ色を塗るため、色選びはデザインの重要な要素となります。淡いピンクやベージュなどのナチュラルカラーは、フォーマルな場やビジネスシーンでも適しています。一方、赤や緑などの鮮やかな色を選べば、存在感のあるネイルに仕上がります。
ワンカラーのジェルネイルの施術時間は、約60分です。ジェルネイル技能検定の初級試験では、ポリッシュカラー5本・ジェルカラー5本・ジェルアート2本を60分で仕上げるという基準が設けられています。そのため、サロンでのワンカラーの施術時間は、大体10本で60分程度となります。
ワンカラーは、ムラなく美しく塗ることや、側面から見ても均一な厚みを保つことが求められます。シンプルなデザインだからこそ、どの角度から見ても美しい仕上がりが期待されます。
グラデーション
グラデーションは、爪の位置によって色の濃さや明るさ、色の種類が徐々に変化するデザインを指します。ワンカラーよりもデザイン性が高く、派手すぎずに華やかさを求める方におすすめです。
グラデーションは、爪が伸びてきても目立ちにくいというメリットがあります。また、ワンカラーよりも色のバリエーションが楽しめるのも魅力です。爪の根元に近い色を肌色に近づけることで、手に自然に馴染み、派手な色も試しやすくなります。
グラデーションのジェルネイルの施術時間は、平均85分です。ジェルネイル技能検定の中級試験では、85分以内でジェルグラデーション4本・ジェルスカルプ1本・ジェルフレンチ5本を仕上げるという基準が設けられています。そのため、グラデーション10本の施術時間は85分が目安となります。
フレンチネイル
フレンチネイルは、爪の先端だけに色を塗るデザインです。シンプルでありながらも上品な仕上がりになるため、ビジネスシーンや洗練されたネイルを求める方に人気です。
フレンチネイルは、フレンチの色や形、幅を変えることで、様々な印象を与えることができます。先端にカラーを塗るだけでなく、ストーンやビジューを使って豪華なデザインにすることもできます。
フレンチネイルの施術時間は平均85分で、算出方法はグラデーションと同じです。ただし、フレンチネイルのデザインにより時間が前後する場合があります。
アート込みデザイン
これまで紹介したデザインはすべて制限がありましたが、アート込みデザインではストーンやシェルを使ったデザイン、3Dアートやイラストなど、自由なデザインを楽しむことができます。
アート込みデザインのジェルネイルは、85分以上が目安となりますが、デザインによってはさらに時間がかかることもあります。ジェルネイル技能検定の上級試験では、1つのイラストを85分で仕上げるという基準が設けられています。複雑なデザインのネイルは、85～120分ぐらいはみておきましょう。
ネイルサロンの一連のプロセスとその所要時間
ネイルサロンの世界に足を踏み入れるとき、何を期待すればよいのか、どのような手順が待っているのかを理解することは重要です。一般的に、ネイルサロンでは以下のようなステップがあります。
個人情報と好みの確認（約5分）
サロンに到着したら、最初に行うのは個人情報の記入と好みの確認です。これには、自分の名前や住所、好きなネイルデザイン、爪の形状、希望する長さ、爪の状態、アレルギー情報などを含めることが一般的です。このステップは通常5分程度で完了しますが、初めての訪問者にとっては新しい質問があるかもしれません。その場合、少し時間がかかるかもしれません。
爪の準備（約20～60分）
次に、爪の準備が行われます。これには、甘皮のケア、爪の長さや形の調整、爪表面の滑らかさの確保などが含まれます。これらのステップは、ジェルネイルが爪にきれいに付着するために必要です。また、既存のジェルネイルを取り除くネイルオフもこのステップに含まれます。ネイルオフは約30分、その他の準備作業は約20～30分かかります。
デザインの選択（約5分）
次に、ネイルデザインを選びます。これはネイリストと一緒に行うこともあります。自分の好きなデザインを持参したり、サロンのデザインチップから選んだり、ネイリストと一緒に新しいデザインを考え出すことも可能です。
ジェルネイルの塗布（約30～80分）
最後に、ジェルネイルを塗ります。これは、数本ずつジェルを塗り、パーツを配置し、ライトで硬化させる作業を繰り返すことで行われます。マニキュアとは異なり、ジェルネイルはライトを使って数十秒で硬化します。
これらのステップを通じて、ネイルアートの体験は約60～150分を要します。それぞれのステップで何が行われるのかを理解することで、ネイルアートの体験がより楽しく、満足度の高いものになるでしょう。
ジェルネイルの施術時間を効率化するためのアドバイス
ジェルネイルの美しさと持続性は魅力的ですが、その施術時間は長いと感じる方も多いでしょう。「自分の好みのデザインを楽しみたいけど、時間がない」という方へ、ジェルネイルの施術時間を効率的に短縮するためのアドバイスをご紹介します。
ネイルの施術時間は、ネイリストの技術だけでなく、お客様自身の事前準備によっても大きく変わります。
具体的なアドバイスを以下に詳しく説明します。
事前に希望のデザインを選択する
デザインの選択には平均で約5分かかると言われていますが、これはお客様やネイリストにより大きく異なります。ネイルデザインのアイデアが全くない場合、デザインを一から決める必要があり、それには時間がかかります。また、デザインのイメージがないままネイルサロンに行くと、ネイリストの提案もなかなかピンとこないかもしれません。
したがって、施術時間を短縮するためには、できるだけ事前にデザインを選んでおくことがおすすめです。インターネットやSNS、ネイルサロンのウェブサイトなどで、様々なネイルデザインを見つけることができます。それらを参考にして、気に入ったデザインをいくつか保存しておくと、施術がスムーズに進みます。
具体的なデザインが決まっていなくても、色や大まかなデザイン、仕上がりの雰囲気などをざっくりと決めておくだけでも、施術時間の短縮につながります。満足のいく仕上がりを得るためにも、ある程度のイメージを持っておくことをおすすめします。
施術時間が短いデザインを選ぶ
複雑なアートや豪華なデコレーションが施されたデザインは、施術時間が長くなりがちです。特にネイルデザインにこだわりがない方は、施術時間が短いデザインを選ぶことで、時間を節約できます。
先ほど紹介したワンカラーネイルは、施術時間が最も短いデザインの一つです。ワンカラーに少しのアートやドット柄を加えたり、ワンポイントを追加するだけでも、華やかなネイルに仕上がります。
ネイルサロンによっては、施術時間に応じてメニューが決まっているところもあります。そのため、希望の時間内でどのようなデザインが可能かを事前に確認しておくと良いでしょう。
ネイルオフを自宅で行う
ネイルオフには約30分の時間が必要です。その時間を短縮するためには、自宅でネイルオフを行うという方法もあります。ただし、ジェルネイルのセルフオフは、以下の点に注意しないと、自爪を傷つける原因となるため、注意が必要です。
・無理に剥がさない
・過度に削らない
爪が伸びてくると、ジェルネイルの端が剥がれやすくなります。しかし、ジェルネイルを無理に剥がすと、自爪の表面が傷つき、白くなったり、ボロボロになったりします。
爪は、トッププレート、ミドルプレート、アンダープレートの3層から成り立っています。ジェルネイルを無理に剥がすと、一番上のトッププレートも一緒に剥がれてしまい、爪が薄くなる危険性があります。爪が薄くなると、次回のジェルネイルの持ちが悪くなったり、二枚爪になったりする可能性があるため、無理に剥がすのは避けましょう。
また、爪を過度に削ることも避けるべきです。爪を削りすぎてトッププレートを削ってしまうと、自爪が薄くなり、二枚爪や爪が割れやすくなる原因となります。さらに、一部分だけ過度に削ると、爪の表面がガタガタになり、ジェルネイルをきれいに塗ることができません。
自宅でネイルオフを行う場合は、自爪を傷つけないように、上記の点に注意しながら、慎重に行うことが必要です。このような注意点を守りながら、自宅でネイルオフを行うことで、サロンでの施術時間を短縮することができます。これらのアドバイスを活用して、効率的なネイルライフを楽しんでください。
セルフネイルの時間とエネルギー
自分でジェルネイルを完璧に仕上げるためには、かなりの時間とエネルギーが必要です。プロのネイリストによるネイルサロンでの施術でも、新しいネイルに変えるのに平均で2時間かかります。
自分でジェルネイルを施すことは、精神的にも肉体的にも大変です。特に、非利き手でネイルを施すのは難易度が高いです。体勢がきつくなったり、道具が散らかったりすることもあります。また、失敗した箇所があると気分が落ち込みますし、細部まで気にすると終わりがありません。
もちろん、素早く美しく仕上げることができる方は問題ありませんが、大抵の場合、「すぐにやって美しく完成！」というわけにはいきません。経験豊富なネイリストでも、「自分のネイルは両手で5時間ぐらいかかる」という方もいます。
手間と時間
まず、全体の所要時間についてですが、
ジェルの除去を含む場合：約3.5～4時間
ジェルの除去を含まない場合：約2.5～3時間
といったところでしょうか。
ただし、これらの時間はあくまで一般的な目安であり、個々の差や特定の状況により変動する可能性があります。
例えば、一日や半日をかけて行ったり、一度に片手ずつ行ったりすることも可能です。事前にスケジュールを立てておくことをお勧めします。
何度も繰り返すことで、自分のペースを見つけることができます。
時間短縮のコツ
・デザインは事前に決めておく。
・必要な道具は手元に揃えておく。
・ミスを防ぐように作業を進める。
デザインを迷いながら選んだり、道具を探しながら作業を進めたりすると、時間が無駄になります。
作業を始める前にデザインを決定し、必要な道具を手元に揃えておくことが最適です。
また、施術中にミスをすると、修正に時間がかかります。ミスを防ぐことも重要なポイントです。
何度も繰り返すことで、準備やミス防止に慣れていきましょう。
労力の必要性
これは、真剣に丁寧に行うと、かなりの労力が必要です。
特にフットネイルを行う場合は、さらに大変です。
集中力や気力だけでなく、体勢も大変です。
ですので、好きな音楽を聴いたり、テレビ番組を見ながら行ったり、アロマを焚いたり、大きなクッションを使ったりと、自分なりの楽しみ方を見つけてください。
