日常生活でよく使うアイテム、傘の正しい処分方法について詳しく解説します。
傘の処分、一体何ゴミ?
梅雨の季節や突然の雨など、傘は私たちの生活に欠かせないアイテムですよね。しかし、強風で壊れてしまったり、使わなくなった傘はどうやって捨てればいいのでしょうか。その答えは、実は自治体によって異なります。
傘は金属の骨やプラスチックの持ち手、そして本体(傘布)の布やビニールなど、さまざまな素材で作られています。そのため、どのゴミとして捨てるべきかは、自治体のゴミ分別ルールによります。
自治体による傘のゴミ分別
ウェザーニュースが行ったアンケート調査によると、「燃えないゴミ」が過半数となるエリアが多い一方で、甲信エリアでは「分解して分別」が過半数となっていました。また、近畿や四国では「粗大ゴミ」の割合が他のエリアよりも多いという結果が出ています。
これらの情報から、傘のゴミ分別は自治体によって大きく異なることがわかります。ですから、自分が住んでいる市区町村のホームページをチェックするか、直接電話で問い合わせて、傘がどのゴミにあたるのかを確認することが大切です。
具体的な傘の処分方法
傘の捨て方は大きく3つに分けられます。一つ目は、壊れた傘をそのままの状態で「不燃ゴミ」または「燃えないゴミ」として出す方法です。ただし、自治体によっては指定のゴミ袋に入れて出さなければならない場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
二つ目は、「粗大ゴミ」として出す方法です。一部の自治体では、傘のサイズが一定以上(例えば30cmまたは50cm)であれば、「粗大ゴミ」として捨てるように指定されています。粗大ゴミを出す際には、指定された金額の粗大ゴミ処理券・リサイクル券を購入し、傘に貼っておく必要があります。
三つ目は、「傘を分解」してから捨てる方法です。この場合、傘の骨の金属や傘布の布とビニール、持ち手のプラスチックなどをバラバラにし、それぞれのパーツを自治体の分別に従って捨てる必要があります。
傘のリサイクルと分解方法
ビニール傘の分解
ポリ塩化ビニール製の傘は主に、ポリ塩化ビニール製のカバー、プラスチック製のハンドルと先端部、そしてスチール製のフレームの3つの部分から構成されています。
これらの部分を素材ごとに分けるための分解手順を以下に示します。
まず最初に、ポリ塩化ビニール製のカバーとフレームの先端部についているキャップを取り外します。
次に、雨具の先端部にある「石突き」を回転させて取り外します。
その後、ハサミを使用して、ポリ塩化ビニール製のカバーをフレームから剥がします。
最後に、プライヤーを使用してハンドルを取り外します。これが困難な場合は、そのままにしておいても問題ありません。
ファブリック製の長傘の分解方法
ファブリック製の長傘は、一般的なビニール傘と同じ構造を持っていますが、傘のカバーが「布」でできているため、フレームに糸で固定されています。
分解する際には、十分注意してください。
傘のハンドル部分はプラスチックや皮革、傘のカバーは布、フレームは金属やプラスチック、グラスファイバー(ガラス繊維の一種)で構成されています。特にグラスファイバーは「資源ごみ」になる可能性があるため、分別を確認しておくといいでしょう。
まず、傘を閉じた状態で、先端部分の石突きを緩めて抜き取ります。
次に、露先(親骨の先端部)についているキャップを全て引き抜き、親骨から外します。
その後、布の生地と親骨を結んでいる糸をはさみで切り離します。
次に、布を本体から引き抜いて外します。
最後に、ペンチを使ってハンドル部分を外します。これが困難な場合は、そのままにしておいても問題ありません。
折りたたみ傘の分解方法
折りたたみ傘をバラす際は、まず「フルオープン」にすることが大切です。そうしないと、布部分がうまく取り外せません。
しっかりと開き、固定した状態で作業を始めましょう。
素材については、長傘とほとんど変わりません。ハンドル部分はプラスチックや皮製、傘の布部分は布製、骨部分は金属やプラスチック、グラスファイバー(ガラス繊維の一種)でできています。長傘と同じく、資源ゴミとして処理される可能性があるグラスファイバーの分別は確認しておきましょう。
また、自治体によっては、折り畳み傘は分解せずに一般ごみとして出すことが許可されている地域もあります。
まず、内側の布と骨組みをつなげている糸をハサミでカットします。
全ての糸をカットしたら、一度傘を閉じます。
次に、先端部分の石突きを反時計回りに回して緩め、取り外します。
その後、露先のキャップを親骨から全て取り外します。
次に、布部分を骨から引き抜き、本体から取り外します。
最後に、ハンドル部分を取り外します。難しい場合は、そのままでも大丈夫です。
ただし、この作業は、手を怪我しないように注意が必要です。滑り止め用のゴムが付いた軍手をはめて、手を保護することをおすすめします。
傘のリサイクル
まだ使える傘を捨てるのはもったいないと感じる方も多いでしょう。そんな方には、傘のリサイクルがおすすめです。
例えば、傘を寄付することができます。不要になった傘を発展途上国の人々に送る活動を行っているNPO法人などがあります。また、無料の傘レンタルサービスを実施している駅では、傘の補充を行っているため、傘の寄付を受け付けています。
自治体によっては、資源回収ボックスやリサイクルセンターで傘を受け付けているところもあります。
ブランド傘の買取
ブランド傘は、その価値を認めてくれる買取業者に持ち込むことが可能です。
リサイクルショップや買取専門店などでは、新品未使用のものだけでなく、中古のブランド傘も喜んで買い取ってくれます。ほとんどのリサイクルショップでは無料で見積もりを提供しているため、買取可能かどうかを確認することができます。
これらの買取業者は、新しいものや新品同様の状態のブランド傘、特に有名ブランドの商品に対しては高額での買取を期待できます。
ただし、各店舗によって買取の条件は異なります。商品の状態が悪い場合や、商品が古い場合などは、買取が難しい場合や、買取価格が低くなる可能性があります。まずは、手元にあるブランド傘が買取対象かどうかを確認するために、店舗に持ち込んでみることをおすすめします。
これらの方法を利用することで、傘を捨てるだけでなく、新たな価値を生み出すことができます。