- 少額(1万円以下)の寄付にどの封筒を選べばいいか、すぐに判断できる
- 封筒の表書き・氏名・金額の正しい書き方がわかる
- 大字(だいじ)の早見表で金額の書き方に迷わない
- NPO・学校・町内会・義援金などシーン別のマナーがわかる
- よくある書き間違いの対処法がわかる
「ちょっとした寄付をしたいけど、封筒ってどう書けばいいんだろう?」と悩んだことはありませんか?
学校のバザーへの協力金、町内会のお祭り、NPO法人への支援金、被災地への義援金など、寄付をする機会は意外と多いものですよね。でも普段あまりやることがないだけに、いざというとき「これで合ってるのかな…」と不安になってしまいがちです。
この記事では、少額の寄付に特化した封筒の書き方を、シーン別にわかりやすくまとめました。図解や一覧表も用意しましたので、ぜひ準備をしながら参考にしてみてください。
1. 少額寄付に使う封筒の選び方(種類と基準)
まず最初に迷うのが「どの封筒を使えばいいの?」というところですよね。寄付に使う封筒には主に3種類あります。それぞれの特徴と使い分けをしっかり押さえておきましょう。
1-1. のし袋・金封・白封筒の違い
のし袋(熨斗袋)とは、水引(みずひき)や熨斗(のし)があらかじめ印刷または付いている和封筒のことです。熨斗とは封筒の右上についている六角形の小さな飾りで、お祝いごとのときだけ使うものです。そのため、寄付では「熨斗なし・水引あり」のタイプを選ぶのが基本です。なお、のし袋は後述する「金封」の一種でもあります。
金封(きんぷう)とは、冠婚葬祭などで金銭を贈る際に使う封筒や折り紙の総称です。一般的には和紙製のものが多く、用途に応じて水引や熨斗があしらわれます。
白封筒は、シンプルな無地の白い封筒です。数千円程度の少額寄付や、支援団体への寄付では白封筒でも失礼にはあたりません。
1-2. 少額(1万円以下)に適した封筒はどれか
金額と場面によって選ぶ封筒が変わります。以下のチャートを参考にしてみてください。
| シーン | 推奨封筒 | 水引の色・結び方 |
|---|---|---|
| NPO法人・支援団体 | 白封筒 または 印刷のし袋 | 紅白・蝶結び(または水引なし) |
| 学校・PTA・幼稚園 | 白封筒 または 印刷のし袋 | 紅白・蝶結び |
| 町内会・お祭り | 印刷のし袋(慶事用) | 紅白・蝶結び |
| 義援金 | 白の無地封筒のみ | 水引・のしなし |
| 神社・寺院への奉納 | 印刷のし袋または奉書紙 | 紅白・蝶結び |
1-3. 絶対に使ってはいけない封筒の種類
✖ 郵便用の洋封筒(長形3号など)…日常の郵便物と同じ封筒は、寄付のマナーとして好ましくありません。
✖ 一般的な寄付に結び切りの水引のし袋…結び切りは「一度きりであってほしいこと(結婚など)」に使う結び方です。何度あっても嬉しい寄付・お祝い事には、何度でも結び直せる蝶結び(花結び)を選ぶのが適切です。
✖ 義援金にのし袋…のし(熨斗)はお祝いの意味を持つ飾りのため、被災された方への義援金には不適切です。水引もなしの白の無地封筒を選びましょう。
少額(1万円未満)なら印刷のし袋か白封筒でOKです。義援金は必ず白の無地封筒を使い、水引やのしは付けません。迷ったときは「シンプルな白封筒」を選べば大きなマナー違反にはなりません。
2. 封筒の表書きの書き方
封筒の準備ができたら、次は表書き(おもてがき)を書きます。表書きとは、封筒の表面中央上部に書く「何のためのお金か」を示す言葉のことです。ここを間違えると相手に失礼になってしまうこともあるので、しっかり確認しておきましょう。
2-1. 「御寄付」「金一封」「寸志」の使い分け
寄付の封筒に書く表書きはいくつかありますが、最も汎用的で幅広い場面に使えるのが「御寄付(ごきふ)」または「金一封(きんいっぷう)」です。神社・寺院への寄付であれば「奉納」、より丁寧な印象にしたい場合は「御芳志」など、状況に合わせて選びましょう。
| 表書き | 使ってよい場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| 御寄付 | 最も汎用的。学校・団体・施設など幅広くOK | 迷ったらこれを選べば安心 |
| 金一封 | 団体や組織への金銭の寄付全般 | 「金銭をひとまとめに包んだもの」という意味合い |
| 御芳志 | 感謝や思いやりの気持ちを添えたい場面 | より丁寧な印象を与える |
| 御寄贈 | 物品(備品・書籍など)を贈る場合 | 現金には使わない |
| 奉納・御寄進 | 神社・お寺への寄付 | 一般団体には不向き |
| 寸志 | 目上の立場の者が目下の者へ渡す場合など | 謙譲語のため寄付の表書きには不向き。受け取る側が不快に感じることも |
「寸志(すんし)」はよく見かける言葉ですが、謙譲語(へりくだった言い方)であるため、受け取る側によっては不快に感じさせてしまうことがあります。寄付の場面では避けるのが無難です。
2-2. 表書きに使う筆記具と書き方のルール
毛筆または筆ペンが最も正式です。筆が苦手な方は太めのサインペンやフェルトペンでも問題ありません。ただし、ボールペンや万年筆は線が細く不作法とされるため避けましょう。また、薄墨(うすずみ)は香典など弔事に使うものですので、一般的な寄付では必ず黒の濃い墨(インク)で書きましょう。
書き方のポイントをまとめます。
「御寄付」などの表書きを、封筒の上半分・中央に配置します。文字が斜めにならないよう丁寧に書きましょう。
表書きよりも一回り小さい字で、封筒の下部中央にフルネームを縦書きします。
表書きと名前の間には適度な空白を設け、窮屈に見えないよう意識するとバランスよく仕上がります。
2-3. 氏名の書き方(個人・連名・団体)
フルネームを中央下部に縦書き
代表者名の右隣に「外一同」を添える
団体名を正式名称で縦書き
※英字はカタカナ表記にすると自然です
3. 中袋・裏面への金額と住所の書き方
のし袋や金封には、外側の袋の中に中袋(なかぶくろ)が入っているものがあります。中袋の有無によって書き方が少し変わるので確認してみましょう。
3-1. 中袋がある場合の書き方
中袋の表面中央に大字(だいじ)で金額を縦書きします。例:3,000円 → 「金 参阡円」
裏面の左下に郵便番号・住所・氏名を縦書きで書きます。後日領収書が届く場合もあるので、丁寧に書いておきましょう。
外封筒には金額は書きません。表書き(御寄付など)と氏名のみを記載します。
3-2. 中袋がない(白封筒)場合の書き方
中袋がない白封筒の場合は、裏面に直接金額・住所・氏名を縦書きで書きます。
右側:金額「金 伍阡円」
左側:郵便番号・住所・氏名(縦書きで記載)
右側中央:金額を大字で縦書き
左側下寄り(右から):郵便番号・住所・氏名を縦書き
3-3. 金額の書き方【大字(だいじ)早見表付き】
中袋や封筒に金額を書くときは、大字(だいじ)と呼ばれる特別な漢数字を使います。これは金額の改ざんを防ぐための書き方で、もともと中国に由来し、日本でも古くから重要書類に用いられてきました。
「壱・弐・参・拾・阡」は改ざん防止のための大字(だいじ)です。「万」を「萬」・「円」を「圓」と書くのは旧字体で、大字とは別の概念です。一般的なマナーサイトでは「旧字体」と呼ぶことも多いですが、正確には大字(だいじ)が正しい呼称です。
| 普通の数字 | 大字 | 読み方 | 金額の書き方例 |
|---|---|---|---|
| 1 | 壱 | いち | 金壱阡円 |
| 2 | 弐 | に | 金弐阡円 |
| 3 | 参 | さん | 金参阡円 |
| 5 | 伍(五でも可) | ご | 金伍阡円 |
| 10(十) | 拾 | じゅう | 金拾円 |
| 1,000(千) | 阡(仟とも書く) | せん | 金参阡円 |
| 10,000(万) | 萬(旧字体) | まん | 金壱萬円 |
| 円 | 圓(旧字体) | えん | (金額の最後につける) |
3,000円 → 金参阡円(または金参千円・金参阡圓)
5,000円 → 金伍阡円(または金五千円・金伍阡圓)
10,000円 → 金壱萬円(または金壱万円・金壱萬圓)
※「千」はそのまま使っても問題ありません。「阡」「仟」はどちらでも可です。「萬」「圓」は旧字体で、「万」「円」と書いても問題ありません。
「也」は「これ以上端数はありません」という意味で、金額の最後に付ける書き方です。少額(10万円未満)の寄付では「也」なしで書くのが一般的で、「金参阡円」のように書きましょう。10万円以上の高額の場合に「也」を付ける慣習があります。なお「也」を付けても付けなくても、いずれもマナー違反にはなりません。
4. シーン別:少額寄付の封筒マナー
寄付をする場面によって、表書きや封筒の種類、金額の相場が少し変わってきます。自分の状況に近いシーンを確認してみてください。
4-1. NPO法人・支援団体への少額寄付
NPOや支援団体への個人寄付では、白い無地の封筒で問題ありません。のし袋でなくてもマナー違反にはなりません。
表書き:「御寄付」または「金一封」
封筒:白無地封筒 または 印刷のし袋(蝶結び)
水引:蝶結び(花結び)を選ぶ。何度あっても嬉しいことには蝶結びが適切
お札:きれいな紙幣(新札でなくてもOK)
なお、団体によっては振込専用の口座を案内している場合も多いです。手渡しと振込どちらがよいか、事前に確認しておくと安心ですよ。
4-2. 町内会・祭りへの寄付
お祭りや地域行事への寄付は慶事(おめでたい行事)にあたるため、紅白・蝶結びの水引がついた印刷のし袋を選びます。ただし地域の慣習によっては異なる場合もありますので、事前に近隣の方や町内会の方に確認しておくのがおすすめです。
表書き:「御寄付」「御寄附」(神社・お寺経由の行事なら「奉納」でも可)
封筒:紅白蝶結びの印刷のし袋。少額なら白封筒でも可(地域による)
金額相場:一般的に2,000〜5,000円程度(地域差があります)
事前に町内会や近隣の方に相場を確認しておくのがおすすめです
4-3. 学校・PTA・幼稚園への寄付金
学校やPTAへの寄付は公的な機関への寄付にあたります。白封筒または印刷のし袋のどちらでも受け取ってもらえます。
表書き:「御寄付」が最も無難。目的を明記したい場合は「学校教育活動支援金」など具体的に書いても丁寧な印象になります
封筒:白封筒 または 印刷のし袋(蝶結び)
宛名:封筒の表書きの上部または左上に「○○小学校 御中」などと書くと、より丁寧な印象になります
4-4. 義援金として渡す場合
義援金は被災された方や支援を必要とする方へ渡すものです。マナーが通常の寄付と大きく異なるため、特に注意が必要です。
封筒:白の無地封筒のみ。のし袋・水引・熨斗はすべてNG
表書き:「御見舞」「災害御見舞」「震災見舞」「罹災見舞」など状況に応じて選ぶ
墨色:黒の濃墨で書く(薄墨は香典など弔事の書き方です)
お札:新札・ピン札は避ける。「前もって準備していた」と受け取られる場合があります。新札しかない場合は一度軽く折り目をつけてから入れましょう
金額:4・6・9を含む金額は避ける(4=死、6=無・失う、9=苦しみを連想させるため)
義援金は通常の寄付と封筒の種類・表書き・お札の扱いがすべて異なります。封筒は白の無地封筒、表書きは「御見舞」などを黒の濃墨で書き、お札は使用済みのきれいな紙幣を用意しましょう。急いでいるときは「義援金専用の封筒」として市販されているものを活用するのもよいですね。
5. お札の入れ方と渡し方のマナー
封筒を用意したら、お札を入れるときにも少しだけ気をつけることがあります。些細なことかもしれませんが、丁寧な気持ちが伝わるポイントでもありますよ。
5-1. お札の向きと入れ方
一般的な寄付(慶事・お見舞いどちらも含む)のお札の入れ方をまとめます。
中袋の表面(金額を書いた面)に、お札の表(肖像画がある面)が向くように入れます。これが一般的な慶事(寄付・お祝いごと)・お見舞いでの入れ方です。
お札を縦にしたとき、肖像画が上(封筒の口に近い方)になるよう揃えます。複数枚の場合はすべて同じ向きに揃えましょう。
香典など弔事の場合は、お札の裏(肖像画がない面)を中袋の表側に向け、肖像画が下になるように入れるのが一般的です。一般的な寄付・義援金では慶事・お見舞いの向き(表を中袋の表側・上向き)で入れましょう。
5-2. 新札は必要か?
一般的な寄付・NPO・学校:新札でなくてもOK。ただしできるだけきれいな紙幣を用意するのが礼儀です。
義援金:新札・ピン札は避ける。「前もって準備していた」という印象を与えることがあります。新札しかない場合は一度折り目をつけてから入れましょう。
「新札」と「ピン札」の違い:新札は銀行から未使用で出たもの。ピン札はすでに流通しているが折り目がないもの。義援金では「ピン札」も避けた方が無難です。
5-3. 封筒の渡し方・封の仕方
のし袋や金封は、フラップ(ふた)を折り込むだけで渡すのが一般的です。受け取った方が中身を確認しやすいよう、がっちり封を閉じる必要はありません。
渡す際は封筒の表が相手に向くよう持ち、両手で丁寧にお渡しします。軽くひと言「よろしければお使いください」などと添えると、より好印象です。
ふくさ(袱紗)とは、金封を包んでおくための布のこと。バッグの中で封筒が折れたり汚れたりするのを防ぎ、渡す直前に取り出す丁寧な作法です。慶事には赤・朱・ピンクなどの暖色系、弔事には紺・深緑・グレーなどの寒色系のふくさを選びます。濃い紫のふくさは慶弔どちらにも使えるので、1枚持っておくと重宝しますよ。ただし薄紫(藤色)は慶事向けのため、兼用には濃い紫を選びましょう。
6. よくあるミスとその対処法
初めての方や久しぶりに寄付をする方が陥りやすいミスをまとめました。事前に知っておくだけで、当日慌てずに済みますよ。
6-1. 書き間違えたときの対処法
表書きや氏名を書き間違えたとき、修正液で消したり二重線を引いて書き直したりするのはマナー上よくありません。迷わず新しい封筒を用意して書き直すのが正解です。
万が一のために、予備の封筒を1〜2枚多めに購入しておくと安心ですね。
6-2. 100均ののし袋を使っても良いか
「100均(百円ショップ)ののし袋では失礼では?」と心配される方もいますよね。
少額の寄付であれば100均ののし袋でも問題ありません。ただし金額とのバランスは意識しましょう。1万円以上の寄付に格安の簡易封筒を使うとアンバランスな印象になってしまいます。金額の大きさに合った封筒を選ぶのがマナーのポイントです。
6-3. 郵送で送る場合はどうする?
寄付を手渡しではなく郵送で送る場合は、現金書留用の封筒を使います。現金書留封筒は郵便局の窓口で購入できます。
1. 通常通りのし袋・封筒に表書きを書いてお金を入れる
2. 郵便局で現金書留の専用封筒を購入(窓口で「現金書留封筒をください」と言えばOK)
3. のし袋ごと現金書留封筒に入れて送る
4. ひと言添えるお手紙やメモを同封すると、気持ちが伝わりやすくなります
よくある質問(Q&A)
直接人に手渡しする場合は、金額の大小にかかわらず封筒に入れるのがマナーです。数百円程度であっても、シンプルな白封筒に入れて渡すと丁寧な印象になります。ただし、募金箱に入れる場合やネット振込の場合は封筒は不要です。
どちらも正しい表記で、意味に違いはありません。「寄付」は一般的な現代表記、「寄附」は旧来の表記です。改まった場面や正式な書類では「寄附」を使うこともありますが、封筒の表書きはどちらでも失礼にはあたりません。迷ったら「御寄付」でOKです。
「也」は円より小さい単位(銭・厘)が使われていた時代の名残で、現在はつけないのが一般的です。「金参阡圓」のように「也」なしで書いてもマナー違反にはなりませんし、「金参阡圓也」とつけても問題ありません。お好みで選んでいただいて大丈夫ですよ。
3,000円は「4・6・9」を含まない金額なので問題ありません。義援金で避けるべき金額は4,000円・6,000円・9,000円・14,000円など「4・6・9」が入るものです。3,000円・5,000円・10,000円などは一般的によく使われる金額です。
毛筆・筆ペンが最も正式ですが、苦手な方は太めのサインペンやフェルトペンで代用できます。ただし、ボールペンや万年筆は線が細く不作法とされるため避けましょう。いずれの場合も、必ず黒の濃墨インクで書くことが大切です。カラーペンや薄墨はマナー違反になります。
全員の名前を封筒に書くのは大変ですし、見た目のバランスも崩れがちです。代表者の名前を書き、その下に「外一同」または「○○会一同」と添えるのが一般的です。全員の名前を伝えたい場合は別紙に書いて同封するとよいですね。
もちろんです。封筒の中にひと言メモやお手紙を同封するのはとても丁寧な行為で、受け取る側にも喜ばれます。「わずかですが、お役立ていただければ幸いです」などひとこと添えるだけで、気持ちが伝わりやすくなりますよ。
まとめ
少額寄付の封筒の書き方について、ポイントをまとめます。
封筒の選び方:1万円未満は印刷のし袋か白封筒、義援金は白の無地封筒のみ
表書き:「御寄付」が万能。「寸志」はNG。義援金は「御見舞」「震災見舞」など
墨色:寄付・義援金ともに黒の濃墨で書く(薄墨は香典など弔事に使うもの)
水引:蝶結びを選ぶ(何度あっても嬉しいことに使う)。義援金は水引なし
金額の書き方:大字で「金参阡円」のように中袋に縦書きする
お札の入れ方:お札の表(肖像画)を中袋の表側に・肖像画が上になるように揃えて入れる
お札の新旧:一般寄付はきれいな紙幣でOK。義援金は新札・ピン札を避ける
ふくさの色:慶事は暖色系、弔事は寒色系(紺・深緑など)。濃い紫は慶弔兼用
渡し方:両手で封筒の表を相手に向けて差し出す
寄付は気持ちを届けるものです。マナーを知っておくことで、渡す側も受け取る側も、気持ちよく大切な場面を過ごせますよね。この記事が、みなさんの「ちゃんと気持ちを届けたい」という思いのお役に立てれば嬉しいです。
