せっかく作ったぶりの照り焼きが、固くてパサパサになってしまった経験、ありますよね。箸を入れた瞬間に「あれ?」と感じて、食べてみるとゴムのような食感でガッカリ…。
実は、ぶりの照り焼きが固くなるのには明確な原因があるんです。そしてそれぞれの原因に対して、ちゃんとした対策があります。
この記事では、料理初心者の方でも今日から実践できる具体的な解決法をわかりやすくお伝えしていきますね。
この記事でわかること
- ぶりの照り焼きが固くなる7つの原因とそのメカニズム
- 失敗パターン別の診断方法と対処法
- ふっくら柔らかく仕上げるための正しい作り方(下処理〜焼き方まで)
- 初心者・中級者・上級者別の実践ポイント
- すでに固くなってしまった時のリカバリー方法
- よくある疑問への回答(片栗粉vs小麦粉、冷めても固くならない方法など)
次回からはふっくらジューシーな照り焼きが作れるようになりますよ!
【まず確認】あなたのぶりの照り焼き、どんな状態?
「固い」と一言で言っても、状態によって原因が違うんです。まずはあなたのぶりの照り焼きがどのパターンに当てはまるか確認してみましょう。
パターン① 表面は焼けているのに中が固い
症状:外側はこんがり焼けているけれど、中心部分が締まって固く、パサパサしている感じ。
主な原因:火が強すぎる、または焼きすぎが考えられます。表面だけが急速に加熱されて、中まで均一に火が通る前にタンパク質が過度に変性してしまっている状態ですね。
パターン② 全体的にパサパサして水分がない
症状:噛むと口の中の水分を持っていかれるような、しっとり感が全くない状態。
主な原因:下処理で水分が抜けすぎた、もともと脂の少ないぶりを使った、または弱火でじっくり焼きすぎた可能性があります。魚の持つ水分や脂が失われてしまっているんですね。
パターン③ ゴムのように硬くて噛み切れない
症状:歯が立たないほど固く、噛んでも噛んでも飲み込めない感じ。
主な原因:これはかなり長時間加熱しすぎた状態です。タンパク質が完全に変性して収縮し、まるでゴムのような食感になってしまっています。焼き時間が長すぎるか、タレと一緒に煮込みすぎた可能性が高いですね。
パターン④ 時間経過で固くなった(冷めたとき)
症状:作りたては柔らかかったのに、お弁当に入れたり、時間が経つと固くなってしまう。
主な原因:保護膜(片栗粉など)を使っていない、または脂が少ない部位を使ったことが原因です。冷めると脂が固まり、水分も飛んで固くなりやすいんです。
💡 ポイント
自分のぶりがどのパターンか分かりましたか?この後の内容で、それぞれの原因を詳しく解説していきますので、該当する部分を特に注意して読んでみてくださいね。
ぶりの照り焼きが固くなる7つの原因を解説
それでは、ぶりの照り焼きが固くなってしまう原因を7つのポイントに分けて詳しく見ていきましょう。それぞれ「なぜそうなるのか」という理由も一緒に説明しますね。
【原因①】素材選びのミス:脂ののっていないぶりを使っている
実は、ぶり選びの段階で勝負の半分が決まると言っても過言ではありません。
脂がしっかりのったぶりは、焼いても水分や旨味が保たれやすく、ふっくら仕上がります。一方、脂の少ないぶりは焼くとすぐにパサパサになってしまうんです。
天然vs養殖の違い
天然ぶりは運動量が多いため身が締まっていて、脂は少なめ。旬の時期(11月〜2月の寒ブリ)以外は、固くなりやすいんです。
養殖ぶりは適度に脂がのっていて、通年を通して品質が安定しています。照り焼きには養殖ぶりの方が失敗しにくいですよ。
部位による違いも重要です
- 腹側(ハラモ):脂がたっぷりで柔らかく仕上がりやすい。照り焼きに最適
- 背側:赤身が多く脂は控えめ。刺身には良いですが、照り焼きには腹側がおすすめ
スーパーでの選び方
- 切り身の表面に白っぽい脂の層が見えるものを選ぶ
- 身に透明感とハリがあるものが新鮮
- ドリップ(赤い汁)が出ていないものを選ぶ
- 夏場(6〜8月)は脂が少ないので、できれば避ける
【原因②】下処理不足:余分な水分が残っている
これ、意外と見落としがちなんですが、下処理が不十分だと絶対に美味しく仕上がりません。
魚には元々水分がたくさん含まれています。この余分な水分が残ったまま焼くと、焼いている最中に水分が蒸発して、結果的にパサパサの固い仕上がりになってしまうんです。
塩振りが短すぎる問題
よくレシピに「塩を振って10分置く」と書いてありますが、実は20分以上置くのがベストなんです。
塩には浸透圧の作用で魚の水分を外に出す働きがあります。10分では表面の水分しか出てこないため、中の水分が焼いている時に出てきてしまうんですね。
⚠️ こんな人は要注意
「時間がないから塩振りは5分だけ」「塩振りを省略してそのまま焼く」という方は、この原因で固くなっている可能性大です!
霜降り処理をしていない
霜降りとは、魚に熱湯をかけて表面のタンパク質を軽く固める処理のこと。これをすることで臭みが取れるだけでなく、余分な水分も一緒に取り除くことができるんです。
代わりに酒洗い(日本酒をかけて拭く)や醤油洗い(醤油をかけて拭く)という方法もありますよ。
水気の拭き取りが不十分
塩振りや霜降りをした後、キッチンペーパーでしっかりと水気を拭き取ることが本当に大切です。表面がしっとり濡れた状態で焼き始めると、その水分が蒸発する過程で身が締まって固くなりやすいんです。
【原因③】保護膜がない:片栗粉・小麦粉を使っていない
片栗粉や小麦粉を薄くまぶしてから焼く、というひと手間を省いていませんか?実はこれ、とても重要な工程なんです。
粉をまぶすことで魚の表面に薄い保護膜ができます。この膜が次のような働きをしてくれるんです。
- 魚の水分や旨味が外に逃げるのを防ぐ
- 外からの熱が直接魚に伝わりすぎるのを和らげる
- タレが絡みやすくなって照りが出やすくなる
片栗粉をまぶすタイミングと量
下処理で水気を完全に拭き取った後、焼く直前に薄く均一にまぶします。たくさんつけすぎるとベタベタになるので、茶こしで軽くふる程度がちょうど良いですよ。
冷めても固くなりにくくしたい場合(お弁当用など)は、片栗粉を使うのが特におすすめです。片栗粉の方が小麦粉よりも水分を保持する力が強いんですね。
【原因④】火加減のミス:弱火でじっくり焼いている
「じっくり弱火で焼けば優しく火が通って柔らかくなる」と思っていませんか?実はこれ、大きな誤解なんです。
ぶりの照り焼きは中火が基本です。その理由を説明しますね。
弱火でじっくり焼くと、魚の表面温度がゆっくり上がっていきます。すると長時間加熱されることになり、その間にどんどん水分が蒸発してしまうんです。
また、タンパク質は50〜60℃から変性(固まる)し始めます。弱火だとこの温度帯に長く留まるため、タンパク質がじわじわと収縮し続けて、結果的に固くパサパサになってしまうんですね。
中火で焼くメリット
- 表面が適度に焼けて香ばしい香りがつく
- 短時間で火が通るので水分損失が最小限
- 表面の保護膜(片栗粉)がパリッと固まって中の旨味を閉じ込める
⚠️ こんな人は要注意
「焦げるのが怖いから弱火でゆっくり」「火が通るか心配だから時間をかける」という方は、このパターンで失敗している可能性が高いです。
【原因⑤】焼きすぎ:完全に火を通そうとしすぎ
生焼けが心配で、「しっかり火を通さなきゃ」と焼きすぎてしまうのも、固くなる大きな原因です。
魚は余熱でも火が通るんです。フライパンから取り出した後も、魚の中心部はじわじわと温度が上がり続けます。
目安としては、8割程度火が通ったら取り出すのがベストです。箸を入れてみて、中心部分がほんのりピンク色くらいで大丈夫。余熱で完全に火が通りますよ。
焼きすぎのサイン
- 身から白い液体(脂やタンパク質)がたくさん出てくる
- 身が縮んで小さくなってきた
- 表面が焦げ茶色を超えて黒っぽくなっている
これらのサインが出たら、すでに焼きすぎです。
火の通り具合の見極め方
切り身の厚さにもよりますが、一般的な2cm程度の厚さなら次の時間を目安にしてください。
- 皮目を下にして中火で2.5〜3分
- ひっくり返して身側を2分程度
- 取り出して余熱で1〜2分
このタイミングでちょうど良いふっくら具合になります。
【原因⑥】タレ投入のタイミングミス
タレの扱い方も、実は仕上がりを左右する重要なポイントなんです。
よくある失敗パターンが、タレと一緒に魚を煮込んでしまうこと。「タレを絡めながら焼く」というイメージでやってしまいがちなんですが、これはNGです。
タレと一緒に煮込むと次のような問題が起きます。
- 水分が多い状態で長時間加熱されることになる
- タレの水分が蒸発する際、魚の水分も一緒に奪われる
- タレの糖分で焦げやすくなり、焦げを避けようとして火加減を弱めると、さらに時間がかかって固くなる
という悪循環に陥ってしまうんです。
正しいタレの使い方
魚は魚だけで焼き上げて、最後の1分程度でタレを絡めるのが正解です。または、タレを別のフライパンで先に煮詰めておいて、焼き上がった魚にサッとかけるだけでもOKですよ。
【原因⑦】余分な油を拭き取っていない
ぶりは脂の多い魚なので、焼いている最中にかなりの量の脂が出てきます。この脂、そのまま放置していませんか?
フライパンに溜まった脂をそのままにしておくと、魚が脂の中で揚げられているような状態になり、過度に加熱されてしまいます。
また、出た脂が再び魚に付着して、焼きムラの原因にもなるんですね。
実践方法
焼いている途中で、キッチンペーパーで余分な脂を拭き取る習慣をつけましょう。皮目を焼いた後、ひっくり返す前に一度拭き取るのがベストタイミングです。
フライパンを傾けて脂を集めると拭き取りやすいですよ。
ここまでのまとめ
7つの原因を見てきましたが、複数の原因が重なっているケースも多いんです。「脂の少ないぶりを使って」「弱火でじっくり焼いて」「タレと一緒に煮込んだ」となれば、それはもう固くなるのは当然ですよね。
でも大丈夫です。次のセクションで、これらの原因を全て解決できる正しい作り方をお伝えしますね。
もう失敗しない!固くならないぶりの照り焼きの作り方
ここからは、実際にどうやって作ればいいのかを、工程ごとに詳しく解説していきます。この通りに作れば、驚くほどふっくらジューシーな照り焼きが作れますよ!
【準備段階】素材の選び方
先ほどもお伝えしましたが、まずは良いぶりを選ぶところから。
スーパーでのチェックポイント
- 切り身の表面に白っぽい脂の層が見える(脂がのっている証拠)
- 身に透明感とハリがある(新鮮さの証拠)
- ドリップ(赤い汁)が出ていない
- 腹側の切り身を選ぶ(背側より脂が多い)
- 養殖ものを選ぶ(通年安定した品質)
- 厚さは2〜2.5cm程度のものが扱いやすい
時期による選び方
- 11月〜2月(寒ブリの季節):天然・養殖どちらも美味しい時期
- 3月〜5月:養殖がおすすめ
- 6月〜8月:脂が少ない時期なので特に養殖を選ぶ
- 9月〜10月:徐々に脂がのってくる時期、どちらでもOK
【下処理】ふっくら仕上げる3ステップ
下処理は美味しさの土台を作る大切な工程です。面倒に感じるかもしれませんが、この3ステップをしっかりやるだけで仕上がりが劇的に変わりますよ。
ステップ1:塩振り(20分以上)
- ぶりの切り身の両面に、塩を軽く振る(魚の重量の3〜4%が目安)
- バットに並べて20分以上置く(できれば30分)
- 表面に水分が浮き出てくるのを確認
💡 塩の量の目安
切り身1枚(約100g)なら、小さじ1/3〜1/2程度です。多すぎると塩辛くなるので注意してくださいね。表面に薄く行き渡る程度で十分です。
ステップ2:霜降り処理(または酒洗い・醤油洗い)
3つの方法から選べます。どれも効果的ですよ。
【方法A:霜降り】おすすめ度★★★
- 沸騰したお湯を用意(80℃前後が理想)
- ぶりをザルに並べ、上から熱湯をかける
- 表面が白くなったら、すぐに氷水に取る
- 表面のぬめりや血合いを軽く洗い流す
【方法B:酒洗い】おすすめ度★★
- 日本酒を切り身全体にかける
- 1分ほど置いてから、キッチンペーパーで拭き取る
【方法C:醤油洗い】おすすめ度★★
- 醤油を切り身全体にかける
- 30秒ほど置いてから、キッチンペーパーで拭き取る
ステップ3:水気の完全除去と片栗粉
- キッチンペーパーで表面の水気を完全に拭き取る(これ本当に大事!)
- 両面が完全に乾いた状態にする
- 焼く直前に片栗粉を茶こしで薄く振りかける
- 手で軽く押さえて密着させる
片栗粉と小麦粉、どっちがいい?
片栗粉:サクッとした食感になり、冷めても固くなりにくい(お弁当におすすめ)
小麦粉:しっとりした仕上がりで、タレの絡みが良い
迷ったら片栗粉を選んでおけば間違いないですよ。
【焼き方】火加減とタイミングの黄金ルール
いよいよ焼いていきます。ここが一番のポイントなので、丁寧に説明しますね。
基本の焼き方(フライパン使用)
- フライパンを中火で予熱する(テフロン加工なら油は薄く、それ以外ならサラダ油小さじ1程度)
- 皮目を下にしてぶりを入れる
- このとき「ジュワー」という音がするのが正解
- 音がしない場合は火が弱すぎる
- 中火のまま2.5〜3分焼く
- 触らない、動かさない(これ重要!)
- 皮がパリッとして、側面の下半分が白っぽくなってくるのを確認
- 余分な脂が出てきたら、キッチンペーパーで拭き取る
- ひっくり返して身側を2分焼く
- 火加減はそのまま中火をキープ
- フライパンを揺すって魚が動くようなら、裏面もしっかり焼けている証拠
- 8割程度火が通ったら一旦取り出す
- 箸を入れてみて、中心部がほんのりピンク色ならOK
- 完全に白くなるまで焼かない(余熱で火が通ります)
💡 火加減の目安
コンロの中火は、炎の先がフライパンの底に触れるか触れないかくらいの強さです。IHの場合は、真ん中より少し強め(160〜180℃設定)が中火に相当しますよ。
⚠️ よくある失敗
- 「焦げそうだから」と弱火にしてしまう → 結果的に時間がかかって固くなる
- 何度もひっくり返す → 身が崩れやすくなり、均一に火が通らない
- 菜箸で押し付ける → 水分や旨味が押し出されてパサパサに
【仕上げ】タレの煮絡め方
最後の仕上げです。ここでタレを上手に絡めることで、照りツヤのある美味しそうな見た目になりますよ。
基本のタレ(2人分)
- 醤油:大さじ2
- みりん:大さじ2
- 酒:大さじ1
- 砂糖:大さじ1
タレの煮絡め方(2つの方法)
【方法A:先にタレを煮詰める】推奨度★★★
- 魚を焼いている間に、別の小鍋でタレの材料を合わせる
- 弱火〜中火でとろみがつくまで煮詰める(2〜3分)
- 焼き上がった魚に、スプーンでタレをかけるだけ
- 余熱でタレが馴染んで照りが出る
この方法なら魚を加熱しすぎる心配がないので、初心者の方に特におすすめです。
【方法B:フライパンで絡める】推奨度★★
- 魚を8割焼いたら一旦皿に取り出す
- フライパンの油を拭き取り、タレの材料を入れる
- 中火で少し煮詰める(30秒程度)
- 魚を戻し入れ、スプーンでタレをかけながら1分加熱
- 照りが出たら完成
照りを出すコツ
タレの水分が適度に飛んで、とろみがついた状態が理想です。サラサラすぎると照りが出ず、煮詰めすぎると焦げてしまいます。
タレが「トロッ」と魚にまとわりつく感じになったらベストですよ。
レベル別!固くならないための対策一覧
ここまでの内容を、あなたの料理レベルに合わせてまとめました。自分に合ったレベルからチャレンジしてみてくださいね。
【初心者】最低限これだけは押さえて
料理に慣れていない方は、この3つだけは必ず実践してください。これだけでも劇的に変わります!
初心者の必須3ポイント
- 養殖ぶりの腹側を選ぶ(脂がのっていて失敗しにくい)
- 塩を振って20分以上置く(水気が出たらペーパーで拭き取る)
- 中火で焼く(弱火NG、強火NG)
焼き時間の目安は、片面3分、ひっくり返して2分と覚えておけばOK。タレは別鍋で煮詰めてかける方法が失敗しにくいですよ。
最初の1回目はこれで十分
いきなり完璧を目指さなくて大丈夫です。まずは「固くならない」を目標に、この3つを守って作ってみましょう。慣れてきたら、次のステップに進んでくださいね。
【中級者】ワンランク上を目指すなら
基本はできるようになった、という方は、ここからさらにレベルアップしましょう。
中級者のプラスアルファ
- 霜降り処理を追加する(臭みも完全除去)
- 片栗粉を薄くまぶす(冷めても美味しい)
- 焼いている途中で出た脂を拭き取る
- 8割火が通ったら取り出して余熱で仕上げる
- タレをフライパンで絡めて照りを出す
火の通り具合の見極めポイント
- 側面を見て、下から2/3くらいが白っぽくなっている状態
- 箸を入れると、中心部がほんのりピンク色
- 表面から少し脂がにじみ出ている(出すぎはNG)
このレベルができるようになると、「お店みたい!」と言われる照り焼きが作れますよ。
【上級者】プロレベルの仕上がりにするには
料理が得意な方、さらに極めたい方向けのプロの技をお伝えします。
湯通し法(霜降りの上級版)
- 80℃のお湯を用意(沸騰させてから少し冷ます)
- ぶりを10秒だけ浸ける
- すぐに氷水に取り、表面だけを締める
- これにより、表面のタンパク質だけが固まり、中はレアのまま
この方法なら、焼いた時に中までじっくり火を通す時間的余裕ができます。
温度管理を徹底する
- 調理用温度計を使って、魚の中心温度を60〜65℃に保つ
- この温度帯が最もふっくら柔らかく仕上がる
- 70℃を超えると急速に固くなるので注意
アロゼ(arroser)技法
フランス料理の技法で、焼いている最中にスプーンで油をかけ続ける方法です。
- フライパンを少し傾ける
- 溜まった脂(またはバター)をスプーンですくう
- 魚の表面に繰り返しかける
- これにより均一に加熱され、しっとり仕上がる
みりんの使い分け
- 本みりん:アルコール分があり、照りが美しく出る
- みりん風調味料:アルコールなしで扱いやすい
プロは本みりんを一度煮切ってからタレに使うことが多いです。アルコールを飛ばすことで、より上品な甘みと照りが出るんですね。
上級者のポイント
ここまで来ると、科学的な理解に基づいた調理ができるようになります。「なぜこうするのか」を理解していれば、レシピがなくても美味しく作れますよ。
すでに固くなってしまった時のリカバリー方法
「もう固くなっちゃった…」という時も、諦めないでください!いくつかリカバリー方法がありますよ。
調理中に気づいた場合の対処法
焼いている最中に「あれ、なんか固くなってきた?」と気づいたら、すぐに対処しましょう。
方法1:日本酒を加えて蒸し焼きに
- 火を弱火に落とす
- フライパンに日本酒大さじ2を加える
- すぐにフタをして1分蒸し焼きにする
- アルコールと一緒に水分が入り込み、多少柔らかくなる
方法2:バターを加える
- 魚を一旦取り出す
- フライパンにバター10gを溶かす
- 魚を戻し、バターを絡める
- 脂分が加わることでパサパサ感が軽減される
完全には戻らないけれど
正直なところ、一度固くなったものを完全に元に戻すのは難しいです。でも、これらの方法で食べやすさは改善できますよ。
完成後に固くなっていた場合のアレンジ
完成してから「固い…」と気づいた場合は、別の料理にリメイクするのがおすすめです。
リメイク1:ぶりそぼろ
- 固くなったぶりを細かくほぐす
- フライパンで炒りながら、醤油・みりん・砂糖で味付け
- ご飯にかけたり、おにぎりの具にしたり
- お弁当にも最適です
リメイク2:ぶり茶漬け
- 固いぶりを一口大にほぐす
- 温かいご飯の上にのせる
- 熱いお茶(または出汁)をかける
- わさびや海苔をトッピング
- お茶の水分で柔らかくなり、食べやすくなります
リメイク3:炊き込みご飯
- 固いぶりを粗くほぐす
- お米と一緒に炊飯器に入れる(2合に対してぶり100g程度)
- 醤油・酒・みりんで味付けして炊く
- 炊き上がったら混ぜる
- 家族に大好評の一品に変身します
失敗は無駄じゃない!
固くなってしまったからといって、捨てる必要はありません。形を変えれば美味しく食べられるんです。「失敗しちゃった」と落ち込むより、「新しい料理に挑戦できる」とポジティブに考えましょう。
冷蔵・冷凍保存後の柔らかい温め方
作り置きしたぶりの照り焼き、温め方次第で柔らかさが全然違いますよ。
冷蔵保存したものを温める場合
【おすすめ:蒸し直し】
- 耐熱皿にぶりをのせる
- 日本酒を小さじ1かける
- ふんわりとラップをかける
- 電子レンジで600W・30〜40秒加熱
- 加熱しすぎないのがポイント
【フライパンで温める場合】
- フライパンにクッキングシートを敷く
- 弱火でじっくり温める(2分程度)
- 日本酒を少し加えてフタをすると、よりしっとり
冷凍保存したものを解凍する場合
- 前日から冷蔵庫で自然解凍(これが一番美味しい)
- 急ぐ場合は、電子レンジの解凍モードを使用
- 完全に解凍してから、上記の温め方で温める
⚠️ やってはいけない温め方
- 電子レンジで長時間加熱(さらに固くなります)
- ラップなしで温める(水分が飛んでパサパサに)
- 凍ったまま直接加熱(ムラができる)
【よくある質問】ぶりの照り焼きQ&A
ここからは、ぶりの照り焼きに関するよくある疑問にお答えしていきますね。
Q1:片栗粉と小麦粉、どちらがいいですか?
A:目的によって使い分けましょう
片栗粉がおすすめな場合
- お弁当に入れる(冷めても固くなりにくい)
- サクッとした食感が好き
- 照りを強く出したい
小麦粉がおすすめな場合
- しっとりした仕上がりが好き
- タレをしっかり絡めたい
- 家にあるもので作りたい
迷ったら片栗粉を選んでおけば間違いないですよ。保水力が高く、時間が経っても固くなりにくいという大きなメリットがあります。
Q2:天然と養殖、どちらが固くなりにくいですか?
A:養殖の方が失敗しにくいです
理由は以下の通りです。
| 項目 | 天然ぶり | 養殖ぶり |
|---|---|---|
| 脂の量 | 少なめ(旬以外は特に) | 適度にのっている |
| 身の締まり | 締まっている | やや柔らかい |
| 固くなりやすさ | やや高い | 低い |
| 品質の安定性 | 時期によって差が大きい | 通年安定 |
| 価格 | 高め | 手頃 |
ただし、11月〜2月の寒ブリシーズンなら、天然も脂がしっかりのっていて美味しいですよ。この時期は天然を選ぶのもおすすめです。
Q3:冷めても固くならない方法はありますか?
A:3つのポイントを押さえましょう
- 片栗粉を必ず使う
- 保護膜が水分の蒸発を防ぐ
- 冷めても柔らかさをキープ
- 脂の多い部位(腹側)を選ぶ
- 脂が多いと冷めても固くなりにくい
- 養殖ぶりがおすすめ
- 焼きすぎない
- 8割程度で火を止める
- 余熱で火を通す
お弁当に入れる場合は、タレを少し多めに絡めるのもコツです。タレが保湿の役割を果たしてくれますよ。
Q4:臭みも一緒に取りたい場合はどうすれば?
A:下処理を丁寧にすれば臭みも取れます
臭みを取る効果的な方法
1. 霜降り処理(最も効果的)
80℃のお湯をかけることで、表面のタンパク質と一緒に臭みの元も除去できます。その後、氷水で締めて、表面のぬめりを軽く洗い流せば完璧です。
2. 生姜やネギを使う
塩振りの時に、薄切りの生姜を一緒に置くか、焼く前にネギの青い部分をこすりつけると、臭みが軽減されます。
3. 牛乳に浸ける
10分ほど牛乳に浸けてから水洗いすると、臭みが取れます。ただし、水気はしっかり拭き取ってくださいね。
新鮮なぶりなら臭みは少ない
そもそも新鮮なぶりは臭みがほとんどありません。購入時に鮮度の良いものを選ぶことが、臭み対策の基本ですよ。
Q5:焦がさずに照りを出すコツは?
A:タレを別で煮詰めるのが確実です
タレと一緒に魚を焼くと、どうしても焦げやすくなります。
焦がさないための方法
- タレを別鍋で先に煮詰める
- とろみがつくまで煮詰めておく
- 焼き上がった魚にかけるだけ
- これなら絶対に焦げない
- タレを加えるのは最後の1分だけ
- 魚を8割焼いてから加える
- 弱火〜中火で絡める
- 長時間加熱しない
- みりんを先に煮切る
- アルコールを飛ばしてから使う
- 焦げにくくなり、照りも美しく出る
照りはタレの糖分が適度に焦げることで出ます。でも焦げすぎると苦くなるので、弱めの火加減で短時間で仕上げるのがコツですよ。
Q6:フライパンとグリル、どちらがいいですか?
A:初心者にはフライパンがおすすめです
フライパンのメリット
- 火加減を調整しやすい
- 焼き具合を確認しながら作れる
- 余分な脂を拭き取れる
- 後片付けが簡単
グリルのメリット
- 上下から加熱されて早く焼ける
- 皮がパリッと仕上がる
- 複数枚を一度に焼ける
ただし、グリルは火が強すぎて固くなりやすいというデメリットもあります。使う場合は、弱火〜中火設定で、こまめに確認しながら焼きましょう。
Q7:作り置きする場合のコツは?
A:少し早めに火を止めて、保存方法に気をつけましょう
作り置きのポイント
- 7割程度で火を止める
- 温め直す時にさらに加熱されるため
- トータルでちょうど良い加熱具合になる
- 粗熱を取ってから保存
- 熱いまま密閉すると水滴がついてベチャベチャに
- 常温で冷ましてから冷蔵庫へ
- 保存期間の目安
- 冷蔵:2〜3日以内
- 冷凍:2週間程度
- ラップは個別に
- 1切れずつラップで包む
- 空気に触れる面積を減らす
冷凍する時のコツ
タレは少なめに絡めるか、別容器で保存しておくと良いですよ。タレが多いと解凍時に水っぽくなりやすいんです。
まとめ:ふっくら柔らかいぶりの照り焼きを作るために
最後に重要ポイントをおさらいしますね。
ぶりの照り焼きが固くなる7つの原因
- 脂ののっていないぶりを使っている
- 下処理で余分な水分が残っている
- 片栗粉などの保護膜を使っていない
- 弱火でじっくり焼いている
- 焼きすぎている
- タレと一緒に煮込んでいる
- 余分な油を拭き取っていない
絶対に押さえたい3つのポイント
- 素材選び:養殖ぶりの腹側、脂がのったものを選ぶ
- 下処理:塩振り20分以上、水気を完全に拭き取る
- 焼き方:中火で焼く、8割で取り出して余熱を使う
料理は科学なんです。「なぜ固くなるのか」というメカニズムを理解すれば、自然と正しい方法が見えてきます。
最初は慣れないかもしれませんが、回数を重ねるごとに必ず上達します。まずは基本の3つだけでも意識して作ってみてください。
次回のぶりの照り焼き、ふっくらジューシーに仕上がることを願っています!
最後に
もし今回の記事が役に立ったら、ぜひ他の魚料理にも応用してみてくださいね。特にサーモンや鯖の照り焼きにも、今回お伝えした方法がそのまま使えますよ。
美味しい照り焼きが作れますように!

