認知症予防に効果的な食事・運動・趣味|年代別に今日からできる習慣

認知症予防は食事・運動・趣味の3つを組み合わせるのが効果的です。青魚・コグニサイズ・脳を刺激する趣味の選び方まで、研究データをもとに年代別で解説。認知症予防を今日から始めるヒントが見つかります。

🧠 認知症予防

今日から始める習慣を年代別に解説

「親が心配」「自分も将来が不安」そんなお気持ち、よくわかります。この記事では、脳科学や疫学の研究データをもとに、食事・運動・趣味の3つを組み合わせた認知症リスク低減の習慣を、わかりやすくお伝えします。

📖 この記事でわかること

  • 認知症「予防」の正しい意味と、何歳から始めるべきか
  • 脳を守るために積極的に摂りたい食材・食習慣と避けたいもの
  • 認知機能低下の抑制に関して研究で報告されている運動の種類と量
  • 趣味が認知症リスク低減に役立つ理由と、脳を刺激する趣味の選び方
  • 食事・運動・趣味を組み合わせた1週間の実践スケジュール例
  • 40代・60代・70代それぞれの年代別スタートのポイント

1認知症を予防できる?まず知っておきたい基礎知識

「予防」とは発症を防ぐことではなく、リスクを下げること

「認知症の予防」という言葉を目にすることが増えましたよね。でもまず大切なのは、「予防=発症をゼロにする」ではなく、「発症リスクを下げ、発症を遅らせること」という正しい理解です。世界保健機関(WHO)も2019年のガイドラインで、「認知機能低下および認知症のリスク低減」という言い回しを使っています。

つまり、食事や運動・趣味といった生活習慣の工夫は「確実に防げる方法」ではなく、「リスクを少しでも減らすための取り組み」です。それでも、できることから始める価値は十分にあります。

認知症患者数の現状と今後の見通し

📊 最新推計について(2024年)

九州大学・二宮利治教授らの研究グループが実施した調査(2024年5月に認知症施策推進関係者会議で公表)では、2025年の65歳以上の認知症患者数は約471万人(有病率12.9%)と推計されています。2012年調査に基づく旧推計(約675万人)より大幅に下方修正されましたが、これは喫煙率の全体的な低下、生活習慣病管理の改善、健康に関する情報や教育の普及による健康意識の変化などによって認知症有病率が低下した可能性があるためと考えられています。なお軽度認知障害(MCI)も含めると、高齢者の約3〜4人に1人が認知機能に関わる症状を持つとされています。

いずれにしても、高齢化の進展に伴い認知症は身近な問題であり続けます。2040年には約584万人に達する見込みで、生活習慣の改善でリスクを下げるという取り組みの重要性は変わりません。

認知症の種類と、生活習慣が関係するメカニズム

認知症にはいくつかの種類があり、それぞれ生活習慣との関わりが異なります。

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アルツハイマー型認知症(認知症全体の約67〜70%)

脳内にアミロイドβ(あみろいどべーた)というたんぱく質が蓄積することで神経細胞が破壊され、脳が萎縮して発症するとされています。高血圧・糖尿病・肥満・運動不足といった生活習慣病が蓄積リスクを高める可能性があると報告されています。

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脳血管性認知症(認知症全体の約20%)

脳梗塞や脳出血によって一部の神経細胞に栄養・酸素が行き渡らなくなることで発症する認知症です。高血圧・糖尿病・脂質異常症などの管理が直接的な予防につながります。減塩・禁煙・適度な運動が効果的とされています。

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レビー小体型認知症(認知症全体の約5%)

大脳皮質の神経細胞内に「レビー小体」と呼ばれる変化が現れる認知症で、幻視や身体の硬直などを伴います。生活習慣との関係は上の2つほど明確ではありませんが、全身の健康維持が脳の健康にもつながる点では共通しています。

予防を始めるなら何歳からがベスト?

「もう60代だから遅いかな……」と思っていませんか? 安心してください。認知症予防に「遅すぎる」はありません。研究によると、アルツハイマー型認知症の原因物質とされるアミロイドβは、発症の10〜20年前から脳内に蓄積し始めるとも言われています。

つまり、40〜50代からの生活習慣の見直しが将来への大きな投資になります。もちろん70代・80代でも、運動習慣や食生活の改善によって認知機能の低下を緩やかにできることが複数の研究で示されています。今日が一番早い日です。

💡 認知症の改善可能なリスク因子(2024年ランセット委員会最新報告)

権威ある医学誌『ランセット』の国際委員会が2024年7月に発表した報告では、14項目の改善可能なリスク因子が挙げられています。教育水準の低さ・難聴・高LDLコレステロール・うつ病・外傷性脳損傷・運動不足・糖尿病・喫煙・高血圧・肥満・過度の飲酒・社会的孤立・大気汚染・視力低下の14項目で、これらへの適切な対処によって認知症の発症を最大45%遅らせたり予防できる可能性があると報告されています。

2認知症予防の「食事」|脳を守る食べ方・食材・食習慣

なぜ食事が脳の健康に直結するのか

脳は全身の中でも特に脂質を多く含む臓器で、酸化ストレスの影響を受けやすいという特徴があります。また、食生活の乱れは高血圧・糖尿病・脂質異常症といった生活習慣病を招き、これらが脳血管や神経細胞にダメージを与えてしまいます。

国立長寿医療研究センターが中心となって実施したJ-MINT研究(2024年)では、食品の多様性スコアが介入群で改善し、認知機能とも関連することが示されました。つまり、特定の「スーパーフード」だけに頼るのではなく、バランスよくさまざまな食材を摂ることが大切なのです。

積極的に摂りたい食材と栄養素

食材・飲み物 注目の成分 期待される働き
青魚(サバ・イワシ・サンマ) DHA・EPA(多価不飽和脂肪酸) アミロイドβの蓄積抑制・脳神経保護への関与が複数の観察研究で報告されています
緑茶 カテキン(ポリフェノールの一種) 国内の複数の観察研究で、定期的に飲む群で認知機能低下リスクが低い傾向が報告されています
大豆製品(納豆・豆腐・味噌) レシチン・大豆イソフラボン 記憶に関わる神経伝達物質の材料になるほか、血栓予防との関連も研究されています
緑黄色野菜(ほうれん草・にんじんなど) ポリフェノール・β-カロテン・葉酸 抗酸化作用・ホモシステイン(脳血管を傷める物質)の低減への関与が報告されています
きのこ類 食物繊維・各種ビタミン 東北大学の大崎コホート研究などで、摂取頻度が高いほど認知症リスクが低い傾向が観察されています
海藻類 ミネラル・食物繊維 九州大学の久山町コホート研究をはじめとする疫学研究で、日本食(海藻・魚を含む)の摂取が認知症リスクと関連することが示唆されています

⚠️ 注意!「これさえ食べれば大丈夫」という食品はありません

認知症の進行を確実に抑制すると科学的に証明されている単一の食品は、現在のところ存在しません。上の表の食材も「効果が期待される・関連が示唆される」段階のものが多く、あくまでバランスのとれた食生活の中の一部として取り入れることが大切です。

避けたい食習慣・食品

積極的に摂りたいものがある一方で、脳の健康を損なう可能性のある習慣も把握しておきましょう。

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過度な塩分摂取

高血圧は脳血管性認知症の大きなリスクです。1日の食塩相当量は成人男性7.5g未満、女性6.5g未満(厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」の目標値)を意識しましょう。

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糖分の多い食事・血糖値の急上昇

糖尿病や血糖スパイクは、アルツハイマー型・脳血管性認知症ともにリスクを高めると報告されています。九州大学の久山町研究では、糖尿病患者はそうでない方に比べアルツハイマー型認知症の発症リスクが約2倍以上になるという結果も示されています。甘いお菓子や精製された炭水化物の摂り過ぎに注意しましょう。

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過度な飲酒

2024年のランセット委員会報告では、過剰なアルコール摂取が認知症の改善可能なリスク因子の一つとして挙げられています。適量(日本の目安では純アルコール1日20g程度)を心がけましょう。

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動物性脂肪の過剰摂取・食事の偏り

九州大学の久山町研究では、食事の西洋化(動物性脂肪・肉類の増加)とアルツハイマー型認知症有病率の上昇との関連が長期追跡で観察されています。食事の多様性を保つことが重要です。

参考にしたい食事スタイル:地中海食・和食

世界的に注目されている食事パターンも参考になります。地中海食は野菜・果物・魚・豆類・オリーブオイルを中心とした食事で、複数の観察研究でアルツハイマー病リスクとの関連が報告されています。和食は久山町研究や大崎コホート研究などの国内の疫学研究で認知症リスクとの関連が示唆されており、日本の食卓に取り入れやすいスタイルです。いずれも共通するのは「野菜・魚・豆類を豊富に、加工食品・塩分・糖分・動物性脂肪を控えめに」という点です。

🌱 今日から実践できる食事アクション

  • 週2〜3回、青魚(サバ・イワシ・サンマ)を食卓に取り入れる
  • 毎食、緑黄色野菜か海藻類を1品加える
  • 食後の飲み物を緑茶にする(1日数杯程度)
  • 調味料の塩を減らし、だしの風味を活かした薄味を心がける
  • 新しい食材を1週間に1つ試してみる(食の多様性アップ)

3認知症予防の「運動」|脳を活性化させる動き方

運動が脳に効くメカニズム

有酸素運動を行うと、脳内でBDNF(脳由来神経栄養因子:のうゆらいしんけいえいよういんし)という物質が分泌されます。BDNFは「脳の肥料」とも呼ばれ、神経細胞の成長・生存・再生を促す重要な物質です。

特に、記憶や学習に深く関わる海馬(かいば)という部位がBDNFの恩恵を受けやすく、定期的な運動によって海馬の体積が維持・増加するという研究報告もあります。また、全身の血流が良くなることで脳への酸素・栄養の供給も改善されます。日本神経学会の「認知症疾患診療ガイドライン2017」においても、定期的な身体活動は認知症やアルツハイマー型認知症の発症率低下と関連すると報告されており、運動の積極的な取り入れが推奨されています。

効果的な運動の種類と頻度・時間の目安

運動の種類 推奨の目安 具体例
中強度の有酸素運動(最もエビデンスが豊富) 週150分以上(WHO2019年ガイドライン推奨)
例:1回30分×週5日
ウォーキング・水泳・サイクリング・軽いジョギング
筋力トレーニング 週2〜3回 スクワット・ダンベル体操・体幹トレーニング
バランス運動 週数回 太極拳・ヨガ・片足立ち(転倒予防にも有効)

「中強度」の目安は、会話はできるけど少し息が上がるくらいのペースです。ウォーキングなら少し早歩きを意識するとちょうどよいイメージです。

フィンランドのFINGER研究(Lancet誌2015年掲載)は、認知症リスクを持つ高齢者1,260名を対象に、食事・運動・認知トレーニング・血管リスク管理を組み合わせた多因子介入を2年間実施しました。結果、介入グループでは対照グループと比べて総合的な認知機能スコア(NTBスコア)が有意に高く、実行機能は83%・処理速度は150%向上し、総合スコアは対照群より25%高い値となったことが報告されています。これは複数の介入を組み合わせることで認知機能の改善効果を実証した世界初の大規模研究として注目されています(Ngandu T et al. Lancet. 2015)。

「コグニサイズ」とは──運動と認知課題を同時に行う新習慣

コグニサイズは、国立長寿医療研究センターが開発した認知症予防を目的とした運動プログラムです。英語の「Cognition(認知)」と「Exercise(運動)」を組み合わせた造語で、体を動かしながら同時に頭も使うことで、脳と身体の両方を効果的に刺激します。国立長寿医療研究センターのランダム化比較試験では、MCI(軽度認知障害)の高齢者を対象にコグニサイズを中心とした介入を行い、一部の認知機能の有意な改善が確認されています(Suzuki T et al. J Am Med Dir Assoc. 2013)。

運動が苦手な人向け|日常生活に組み込む小さな動き

「ジムに通う時間なんてない……」という方もご安心ください。まず日常動作の中で体を動かす意識を持つことから始めてみましょう。

🏃‍♀️ 日常生活でできる小さな運動習慣

  • エレベーターではなく階段を使う
  • バスや電車では1駅前で降りて歩く
  • テレビのCM中に、その場で足踏みや軽いスクワットをする
  • 買い物や散歩のついでに、少し遠回りするルートを選ぶ
  • ウォーキング中に「今日見えたもの」をしりとりしながら歩く(コグニサイズ的な工夫)

4認知症予防の「趣味」|脳を刺激し続ける楽しみ方

趣味が認知症予防に効く3つの理由

「趣味を持ちましょう」と言われても、なんとなくふわっとした話に聞こえてしまいますよね。でも、趣味が脳の健康に良い理由はちゃんとあるんです。

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① 前頭葉の活性化

新しいことを覚えたり、考えたり、工夫したりする趣味は、前頭前野(ぜんとうぜんや)と呼ばれる高次脳機能を担う部位を活発に使います。使い続けることが認知機能の維持につながると考えられています。

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② 社会的なつながりの維持

他者との会話・コミュニケーションは脳への強力な刺激になります。2024年のランセット委員会報告でも、社会的孤立が認知症の改善可能なリスク因子の一つとして挙げられており、社会参加の維持が重要とされています。

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③ ストレス軽減・精神的な充実

慢性的なストレスはコルチゾール(ストレスホルモン)の分泌を増やし、海馬にダメージを与えると言われています。好きなことをして楽しい時間を過ごすことは、ストレス軽減を通じて脳を守ることにつながります。

認知症予防に効果的な趣味ジャンル(比較一覧)

趣味の種類 脳への刺激 具体例
✋ 手を使う趣味 脳の広い範囲を使う(手指と脳の緻密な連携) 楽器演奏・陶芸・編み物・書道・料理・折り紙
🧩 頭を使う趣味 論理的思考・記憶・言語を刺激 囲碁・将棋・読書・語学・クロスワード・麻雀
💃 体を使う趣味 有酸素運動+リズム感・協調性 ダンス・太極拳・体操教室・ゴルフ・卓球
👥 人と関わる趣味 社会参加・コミュニケーション・目的意識 ボランティア・料理教室・コーラス・地域活動
🎨 創造的な趣味 発想力・集中力・感情表現 絵画・写真・俳句・ガーデニング・手芸

特に「体を使う+頭も使う+人と関わる」の要素が重なる趣味は、複合的な脳への刺激という観点からも理想的です。ダンス教室・太極拳・コーラスなどはこの3要素を自然に兼ね備えています。

趣味がない人のための「始め方」ガイド

「趣味って言われても、何もないんですよね……」という方もきっと多いはず。そんな時の一歩の踏み出し方をお伝えします。

🌱 趣味をゼロから始める3ステップ

  • まず近くの公民館・図書館の掲示板をチェックする──地域の無料・低コストの教室・サークルが見つかることが多いです
  • 地域包括支援センターに相談する──高齢者向けの介護予防教室や趣味のプログラムを紹介してもらえます
  • 「いちばん敷居の低いもの」から始める──道具が不要なウォーキングや図書館での読書など、今日すぐできることからスタートしましょう

5年代別・実践スタートガイド

40〜50代将来への「積み立て」期間

40〜50代は仕事・育児・介護など何かと忙しい時期ですよね。でも、この時期の生活習慣が20〜30年後の脳の状態に大きく影響します。いわば「脳の積み立て貯金」期間です。

この年代でまず取り組んでほしいのは、生活習慣病の予防・管理です。高血圧・糖尿病・脂質異常症・肥満を防ぐことが、将来の認知症リスク低減への最大の投資になります。2024年のランセット委員会報告でも、中年期に多くのリスク因子へ対処することが最も効果的と強調されています。定期健診を受けて数値を確認し、異常があれば早めに医師に相談しましょう。

60代社会とのつながりを保つ転換期

定年退職などをきっかけに、毎日の規則正しいリズムや人とのつながりが減りやすいのがこの年代の特徴です。社会参加と役割感の維持がこの時期のキーワードです。地域のボランティアや趣味のサークルへの参加、コグニサイズ教室への申し込みなど、外出して人と関わる機会を意識的に作っていきましょう。

食事も引き続きバランスを大切に。少食になりがちな年代でもあるので、たんぱく質(魚・肉・豆類・乳製品)はしっかり摂ることも意識してください。

70代以降今日からでも遅くない。できることを続けよう

FINGER研究の対象者は60〜77歳でしたし、神戸大学らが兵庫県丹波市で実施したJ-MINT PRIME Tamba研究(Alzheimer’s & Dementia誌2024年9月掲載)でも、65〜85歳の高齢者を対象に複合的な介入プログラムによる認知機能の向上が国内で初めて実証されています。「もう70代だから……」は禁物です。

この年代で特に大切なのは転倒予防と運動の継続です。バランス運動(片足立ち・太極拳)や筋力維持のための体操を日課に取り入れましょう。また、難聴が認知症リスク因子として挙げられているため、聞こえにくさを感じたら耳鼻科への受診を早めにされることをおすすめします。気になる症状が続く場合は、かかりつけ医や地域包括支援センターへの早めの相談を。

6食事・運動・趣味を「組み合わせる」ことで効果は高まる

3つを組み合わせた相乗効果の研究データ

食事・運動・趣味(知的活動)をそれぞれ単独で行うよりも、複数を組み合わせて同時に実践することでより大きな効果が期待できることが、近年の研究で示されています。

FINGER研究(2015年)以前にも、運動療法や栄養指導・血圧管理などで認知症予防を狙う研究は数多くありましたが、それらは単独介入が中心で安定した効果が得られていませんでした。FINGER研究はこうした先行研究とは異なり、食事・運動・認知トレーニング・血管リスク管理という多因子介入を組み合わせることで初めて認知機能低下の抑制効果を実証した世界初の大規模ランダム化比較試験です(Ngandu T et al. Lancet. 2015)。

国内では、国立長寿医療研究センターが主導するJ-MINT研究(2024年・Alzheimer’s & Dementia誌掲載)と、その一環として神戸大学らが兵庫県丹波市で実施したJ-MINT PRIME Tamba研究(2024年9月・同誌掲載)において、運動・認知機能トレーニング・栄養管理・生活習慣病の管理を組み合わせた複合介入プログラムにより高齢者の認知機能が向上することが実証されています。世界規模でも同様の研究(World Wide FINGERSネットワーク)が進んでおり、複合介入の有効性への注目は高まっています。

1週間の「認知症予防モデルスケジュール」

「どうやって日常に組み込めばいいかわからない……」という方のために、無理なく続けられるモデルスケジュールをお伝えします。参考にしながら、自分のペースでアレンジしてみてくださいね。

曜日 運動 食事ポイント 趣味・脳活動
30分早歩きウォーキング(しりとりしながら) 青魚(サバの味噌煮など)を夕食に 図書館で本を1冊借りる
階段を積極的に使う・自宅でコグニステップ20分 緑黄色野菜を2品以上・緑茶を2〜3杯 好きな音楽を聞く・楽器を少し弾く
水泳・サイクリング・ヨガなど 豆腐・納豆など大豆製品を意識して 友人や家族と電話・おしゃべり
買い物がてらに1駅分歩く きのこ・海藻たっぷりの汁物 読書・新聞の記事について考える
30分早歩きウォーキング 青魚か魚介類を取り入れた食事 趣味のサークル・地域活動に参加
家族や友人と少し長めの散歩・太極拳教室など 和食でバランスよく・外食なら魚料理を選ぶ 料理教室・ガーデニング・陶芸など
軽めの体操・ストレッチ(休息も大切) 食事の振り返り・野菜たっぷりの料理を自炊 来週取り組む趣味の計画を立てる

💡 継続のコツは「完璧を目指さないこと」

毎日すべてを完璧にこなそうとすると続きません。「週に3日できれば上出来!」「一つだけでも続ける」という気持ちで取り組みましょう。認知症予防の観点からも、長期間の継続こそが最も重要です。

❓ よくある質問(FAQ)

Qサプリメントを飲めば認知症は予防できますか?
A現時点では、「これを飲めば認知症を予防できる」と科学的に証明されたサプリメントはありません。厚生労働省や国立長寿医療研究センターも、特定のサプリメントを認知症予防として推奨していません。バランスのとれた食事から栄養を摂ることが基本です。気になる商品があれば、購入前にかかりつけ医に相談されることをおすすめします。
Q「物忘れ」と「認知症の物忘れ」はどう違うのですか?
A加齢による物忘れは「体験の一部を忘れる」のが特徴です(例:昨日のランチのメニューを忘れる)。一方、認知症の物忘れは「体験そのものを忘れる」傾向があります(例:昨日ランチを食べたこと自体を忘れる)。同じことを何度も尋ねる・日時がわからなくなる・簡単な料理ができなくなるといった変化が続く場合は、かかりつけ医や地域包括支援センターへの相談をおすすめします。
Q親が認知症だと、自分もなりやすいですか?
A認知症のなりやすさには遺伝的な要素も関わることがありますが、多くの場合は生活習慣・環境・年齢などの要因が大きいとされています。特定の遺伝子(APOE-ε4など)がリスクを高めることは知られていますが、その遺伝子を持っていても発症しない方も多くいます。生活習慣の改善でリスクを下げる余地は誰にでもあります。
Q脳トレ(脳ゲーム)アプリは認知症予防に効果がありますか?
A知的トレーニングの効果については、認知機能の維持に一定の有効性を示す研究も存在しています。ただし、アプリの操作が上手くなること自体が認知症予防に直結するかはまだ研究段階の部分もあります。脳トレ単体よりも、運動・食事・社会活動と組み合わせることがより効果的と考えられています。楽しく続けられるものであれば取り入れる価値は十分あるでしょう。
Q睡眠不足は認知症に関係しますか?
Aはい、睡眠と認知症の関係は近年注目されています。睡眠中は脳内の老廃物(アミロイドβなども含む)を洗い流す「グリンパティックシステム」が活発に働くとされています。慢性的な睡眠不足はこのプロセスを妨げる可能性があり、認知症リスクとの関連を示す研究も報告されています(ただし因果関係についてはまだ研究が続いています)。質の良い睡眠の確保も、食事・運動・趣味と並んで大切な要素です。一般的には1日7時間前後の睡眠が目安とされています。
Q難聴になると認知症になりやすいと聞きましたが、本当ですか?
Aはい、2024年のランセット委員会報告でも難聴が認知症の改善可能なリスク因子の一つとして挙げられています(全14項目のうちの一つ)。聞こえにくくなると脳への刺激が減り、社会参加も減少しやすくなるため、認知機能に影響すると考えられています。「最近、聞こえにくいかな」と感じたら、耳鼻科への受診を早めにされることをおすすめします。なお、補聴器の使用による認知症予防効果については現時点でまだ十分なエビデンスが確立されておらず、今後の研究が期待される段階です。
Q認知症予防のために今すぐできる、一番大事なことは何ですか?
A「これだけやれば大丈夫」という一つの答えはありませんが、まず今日からできることとして「毎日30分、少し息が上がる程度の運動をする」ことをおすすめします。運動は食事・趣味・睡眠・社会参加とも相乗効果があり、最もエビデンスが豊富な予防行動の一つです。ウォーキングから始めて、少しずつ食事や趣味も整えていく流れが続けやすいでしょう。

📝 まとめ

  • 認知症の「予防」とは発症リスクを下げ遅らせること。2024年ランセット委員会報告では14の改善可能なリスク因子に対処することで最大45%の発症を遅らせたり予防できる可能性があるとされています
  • 食事は「特効食材」を求めるより、バランスのとれた多様な食材を摂ることが大切。青魚・緑茶・大豆製品・緑黄色野菜・きのこ・海藻を意識して
  • 運動はWHO推奨の週150分の中強度有酸素運動が目安。コグニサイズのような「体と頭を同時に使う」運動が特に注目されています
  • 趣味は「手・頭・体・人との関わり」の要素を持つものが脳への刺激が大きい。楽しく継続できることが最大のポイント
  • 食事・運動・趣味を組み合わせて実践することで単独より大きな効果が期待できると、FINGER研究・J-MINT研究・J-MINT PRIME Tamba研究などで示されています
  • 何歳からでも遅くありません。今日できることからひとつ始めて、長く続けることが何より大切です

ご家族の健康が気になる方は、地域包括支援センターやかかりつけ医にもぜひ相談してみてください 💚