NASDAQ(ナスダック)とは?意味・仕組み・投資方法をわかりやすく解説

「NASDAQとは何か」を基礎からわかりやすく解説します。NASDAQの正式名称・歴史・ダウやS&P500との違いから、NASDAQへの投資方法まで。NASDAQの過去の暴落データや為替リスクも解説。

「NASDAQ(ナスダック)ってよくニュースで聞くけど、結局どういうものなの?」そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。最近は新NISAを始めた方が増え、NASDAQ100に連動する投資信託が人気を集めているため、ますます耳にする機会が増えていますよね。

この記事では、NASDAQの基本的な意味から、ダウやS&P500との違い、さらに実際にどうやって投資するかまで、投資初心者の方にもわかりやすくお伝えします。難しい金融用語には説明もつけていますので、安心してお読みください。

📋 この記事でわかること

  • NASDAQとは何か、正式名称・歴史・特徴がわかる
  • ニューヨーク証券取引所(NYSE)との違いがわかる
  • NASDAQ総合指数とNASDAQ100の違いが整理できる
  • Apple・Microsoft・NVIDIAなど代表的な上場銘柄がわかる
  • 投資信託・ETFを使ったNASDAQへの具体的な投資方法がわかる
  • リスクや注意点を把握できる
  • 新NISAでNASDAQ100に投資する方法がわかる
⚠️ 本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴います。投資判断はご自身の責任のもとで行ってください。

🌍 NASDAQとは?わかりやすく解説

NASDAQの正式名称と読み方

NASDAQは「ナスダック」と読みます。正式名称は「National Association of Securities Dealers Automated Quotations(全米証券業協会自動気配値システム)」で、その頭文字をとってNASDAQと呼ばれるようになりました。

名前にある「Automated Quotations(自動気配値)」とは、コンピューターが自動で株価の売買情報を処理・表示する仕組みのことです。当時としてはとても革新的なシステムでした。

💡 用語メモ:「気配値(けはいね)」とは?
株式市場で「このくらいの価格で買いたい・売りたい」という注文状況を示した価格のことです。市場参加者がどんな価格帯に注文を出しているかを示します。

1971年創設・世界初の電子株式市場という歴史

NASDAQは1971年2月8日に証券取引を開始した、世界初の電子株式市場です。当時の株式市場はすべて「立会場(たちあいじょう)」と呼ばれる物理的な場所で、大勢の人が売買を行っていました。そんな時代に、コンピューターネットワークだけで売買を完結させるという画期的なスタイルを確立したのがNASDAQです。

NASDAQはもともと全米証券業協会(NASD)が設立しましたが、現在はNasdaq, Inc.(ナスダック株式会社)が運営しています。新興(グロース)企業向けの株式市場としては世界最大の規模を誇り、時価総額の全体規模ではニューヨーク証券取引所(NYSE)に次ぐ世界第2位です。

💡 2月5日と2月8日の違いについて
「1971年2月5日」はNASDAQ総合指数の算出開始日(基準値100の日)です。一方、「1971年2月8日」はNASDAQが実際に証券取引を開始した日です。混同しやすい日付ですが、それぞれ別の意味を持っています。

なぜハイテク・IT企業が多いのか

NASDAQには、AppleやMicrosoft、Amazon、Alphabet(Google)、Metaといった世界を代表するIT・ハイテク企業が名を連ねています。なぜこれほどテクノロジー企業に選ばれるのでしょうか?

その理由は上場基準の柔軟さにあります。NASDAQには企業規模に応じた3つの市場区分(Nasdaq Global Select Market・Nasdaq Global Market・Nasdaq Capital Market)があり、特にNasdaq Capital Marketでは、赤字であっても将来性や資産規模などの基準を満たせば上場できるケースがあります。ただし市場区分によって基準は大きく異なり、上位の市場には厳格な財務要件があります。

1990年代のインターネットブームを経て「テクノロジー企業はNASDAQに上場する」という流れが定着し、現在も情報技術・半導体・AI関連のセクターを中心に世界中の成長企業が上場を目指しています。

✅ ポイントまとめ
NASDAQは1971年2月8日に証券取引を開始した世界初の電子株式市場です。現在はNasdaq, Inc.が運営しています。新興企業向け株式市場として世界最大の規模を誇り、時価総額の全体規模はNYSEに次ぐ世界第2位です。Apple・Microsoft・Amazonなどのハイテク企業が多く、段階別の市場区分で成長企業が上場しやすい仕組みが整っています。

🏢 NYSEとの違い|NASDAQの3つの特徴

NASDAQ(ナスダック)とよくセットで語られるのが、NYSE(ニューヨーク証券取引所、New York Stock Exchange)です。この2つはどう違うのでしょうか? 3つの視点で整理してみましょう。

立会場なし・完全電子取引の仕組み

NYSE(ニューヨーク証券取引所)には、物理的なトレーディングフロア(立会場)が今も存在します。ただし現在のNYSEは取引の大部分が電子化された「ハイブリッド型」の取引所で、フロアは主に新規上場のセレモニーや一部の指定マーケットメーカー(DMM)業務に使われています。かつてのように大勢のトレーダーが叫びながら取引する光景は、日常的なものではありません。

一方NASDAQは創設当初から立会場を持たず、すべてコンピューターネットワークで取引を完結させる完全電子取引所です。NASDAQでは「マーケットメーカー」と呼ばれる専門の金融機関が、常に売値と買値を提示することで立会時間内の市場の流動性(取引のしやすさ)を維持しています。

💡 用語メモ:「マーケットメーカー」とは?
常に株式の売値・買値を提示し続けることで、市場に流動性を供給する専門の業者や金融機関のことです。買い手と売り手の橋渡し役を担っています。

上場審査基準の違い

NASDAQとNYSEでは、上場(株式市場に企業が参加すること)の難しさも異なります。

比較項目 NASDAQ NYSE
市場のイメージ 成長・新興企業向け 老舗・大型優良企業向け
上場の難しさ 市場区分により柔軟〜厳格 厳しい審査基準
取引方式 完全電子取引 電子取引主体のハイブリッド型
時価総額規模 世界第2位(NYSEに次ぐ) 世界第1位
代表的な上場企業 Apple, NVIDIA, Amazon Berkshire Hathaway, JPMorgan

NYSEには時価総額・利益水準・株主数など厳格な上場基準があり、コカ・コーラやジョンソン・エンド・ジョンソンなど歴史ある大企業が多く上場しています。NASDAQは段階別の市場区分があるため、企業規模や成長段階に応じた選択が可能です。

取引時間(日本時間での換算)

NASDAQの通常の立会時間は、米国東部時間の午前9時30分〜午後4時(日本時間では冬季23時30分〜翌朝6時、夏季〔サマータイム〕は22時30分〜翌朝5時)です。日本市場とは昼夜が逆転しているため、日本国内から個別株をリアルタイムで取引する場合は夜間になることが多いです。

ただし投資信託であれば夜間に起きている必要はなく、日本の銀行・証券会社の営業時間内に注文を出すだけで投資できます。忙しい方にも取り組みやすい投資方法です。

🎯 ここで押さえておきたいアクション

  1. NASDAQとNYSEの違いを理解したら、次は「どんな指数に投資するか」を考えましょう。
  2. 個別株より投資信託やETFの方が初心者には管理しやすいです。
  3. 取引時間の問題は、投資信託を使えば解決できます。

📊 NASDAQ総合指数とNASDAQ100の違い

NASDAQを調べていると、「NASDAQ総合指数」と「NASDAQ100」という2つの言葉が出てきます。どちらもNASDAQに関連した「株価指数(インデックス)」ですが、内容は大きく異なります。投資を考えるうえで、ここはしっかり理解しておきたいポイントです。

💡 用語メモ:「株価指数(インデックス)」とは?
複数の株式をまとめて一つの数値で表したものです。市場全体や特定のグループの動きを把握するための「体温計」のようなものだとイメージしてください。

NASDAQ総合指数とは

NASDAQ総合指数(Nasdaq Composite Index)は、NASDAQに上場している銘柄全体を対象に、時価総額加重平均で算出する指数です。1971年2月5日の値を基準値「100」として算出が始まりました(この日付は指数算出の開始日であり、取引開始日の2月8日とは異なります)。

NASDAQ市場全体の動きを把握するのに適した指数です。一方で、小規模なベンチャー企業も含まれるため、値動きがやや大きくなる傾向があります。

NASDAQ100とは(金融除く上位100銘柄)

NASDAQ100(Nasdaq-100 Index)は、NASDAQに上場している企業のうち、金融セクター(REITを含む)を除いた時価総額上位100社(約100銘柄)で構成される指数です。時価総額加重平均方式で算出されます。なお、特定の銘柄の比率が大きくなりすぎた場合には調整が行われ、特定の銘柄が指数全体に過大な影響を与えないよう設計されています。

銘柄の定期入替は年1回12月に行われます。

💡 構成ティッカー数が「101」になる理由
Alphabet(Google)は「GOOGL」と「GOOG」という2種類の株式を発行しています。どちらもNASDAQ100に採用されるため、企業数は100社でも、実際に組み入れられる銘柄コード(ティッカー)の数は101になります。

Apple・Microsoft・NVIDIA・Amazon・Alphabetといった超大型ハイテク企業が上位を占め、日本で購入できる投資信託やETFの投資対象として広く使われているのがこのNASDAQ100です。アモーヴァ・アセットマネジメント(旧・日興アセットマネジメント)の資料(2025年4月末時点)によると、この約100銘柄でNASDAQ市場全体の時価総額の約84%をカバーしています。

【比較表】4つの主要指数の違い一覧

NASDAQの2指数と、よく聞くNYダウ・S&P500を並べて比較してみましょう。

指数名 対象銘柄数 特徴 算出方法 ボラティリティ
NASDAQ総合指数 約3,000銘柄以上(全銘柄) NASDAQ全銘柄、ハイテク多め 時価総額加重平均 高め
NASDAQ100 約100銘柄(金融・REIT除く) 超大型ハイテク株中心 時価総額加重平均 高め
S&P500 500銘柄 米国大型株の幅広い業種 時価総額加重平均 中程度
NYダウ(ダウ平均) 30銘柄 NYSEとNASDAQ両方から選出・米国代表30社 株価平均型 低め
💡 用語メモ:「ボラティリティ」とは?
価格の変動の大きさを表す言葉です。ボラティリティが高いほど、値上がりも値下がりも大きくなる傾向があります。ハイリスク・ハイリターンと覚えておくとわかりやすいです。

「NYダウ」はダウ・ジョーンズ工業株30種平均とも呼ばれ、NYSEとNASDAQの両方に上場する米国を代表する30銘柄(1999年11月からNASDAQ上場企業も選出対象に加わり、現在は7社がNASDAQ上場)で構成される歴史ある指数です。株価が高い銘柄(値がさ株)の影響を受けやすい「株価平均型」方式で算出されるという特徴があります。一方のNASDAQ100やS&P500は時価総額(株価×株式数)を重視して算出するため、企業の規模をより反映した動きになります。


🏢 NASDAQの代表的な上場銘柄

時価総額上位の主な企業(2026年Q1末時点)

NASDAQ100の上位を占めるのは、私たちの生活にも深くかかわる企業ばかりです。Invesco QQQ Fact Sheet(2026年3月末時点)によると、上位銘柄の構成比率は以下のようになっています。

順位 企業名 ティッカー 主な事業 構成比率(目安)
1 NVIDIA NVDA GPU、AI半導体 約9.2%
2 Apple AAPL iPhone、Mac、iOS、サービス 約7.1%
3 Microsoft MSFT Windows、Azure、Teams、Copilot 約5.7%
4 Amazon AMZN EC、AWS(クラウド) 約5.0%
5 Broadcom AVGO 半導体、インフラソフトウェア 約4.5%
6 Meta Platforms META Facebook、Instagram、WhatsApp 約4.3%
7 Alphabet(Google)A株 GOOGL 検索エンジン、YouTube、クラウド 約2.5%
8 Alphabet(Google)C株 GOOG 検索エンジン、YouTube、クラウド 約2.3%
9 Tesla TSLA 電気自動車(EV)、エネルギー 約2.1%
10 Costco COST 会員制倉庫型小売 約2.1%

※ 構成比率はInvesco QQQM Fact Sheet(2026年3月末時点、stockanalysis.com参照)をもとにした参考値です。銘柄・比率は定期的に変動します。最新情報は各運用会社の公式資料でご確認ください。

いわゆる「Magnificent 7(マグニフィセント・セブン)」と呼ばれる7大ハイテク企業(Apple・Microsoft・NVIDIA・Amazon・Alphabet・Meta・Tesla)がNASDAQ100全体の時価総額の大きなウェイトを占めています。Broadcomもこれらに並ぶ時価総額上位の有力銘柄ですが、一般的にMagnificent 7のメンバーには含まれません。上位10銘柄の合計でNASDAQ100全体の約47%を占めており(2026年Q1末時点)、少数の大型銘柄への集中度が高い点は理解しておきたいポイントです。

💡 セクター構成の目安(2026年Q1末時点)
NASDAQ100は情報技術(IT)セクターだけで全体の約54%を占めます(Invesco QQQ Fact Sheet 2026年Q1末時点)。次いでコミュニケーション・サービス、一般消費財・サービス、ヘルスケアなどが続きます。時期や銘柄入れ替えにより変動します。

日本企業のNASDAQ上場事例

NASDAQは米国の取引所ですが、日本企業や日系企業の子会社・持株会社も上場しています。主な例を見てみましょう。

企業名 ティッカー 上場年月
くら寿司USA(Kura Sushi USA, Inc.) KRUS 2019年8月
株式会社メディロム MRM 2020年12月
PicoCELA株式会社 PCLA 2025年1月

※ 上場年月は各社公式発表およびWikipedia(2026年3月時点)に基づく参考値です。上場状況は変動する場合があります。

日本企業にとってNASDAQ上場は世界中の投資家から資金を集め、グローバルブランドを構築するチャンスとなります。一方で、米国での情報開示義務(SEC報告書の提出など)やコスト負担も大きく、上場維持には相応の体力が必要です。


💰 NASDAQへの投資方法【初心者向け】

「NASDAQに投資してみたい」と思ったとき、日本に住む私たちにはどんな方法があるのでしょうか? 大きく分けると①インデックスファンド(投資信託)②ETF ③個別株の3つがあります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

方法①:インデックスファンド(投資信託)

投資信託とは、多くの人からお金を集めてプロが運用する金融商品です。NASDAQ100に連動するインデックスファンドを購入すれば、Apple・NVIDIA・Microsoftなど約100社への分散投資を、少額から始められます。証券会社によっては100円から積立投資が可能です。

主なNASDAQ100連動ファンドとして知られているものには以下のものがあります。

ファンド名 信託報酬(税込) つみたて投資枠 成長投資枠
楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンド 約0.198%
ニッセイNASDAQ100インデックスファンド 約0.2035%
iFreeNEXT NASDAQ100インデックス 約0.495%
eMAXIS NASDAQ100インデックス 約0.44%

※ 信託報酬・NISA対応状況は変更される場合があります。本表は2025年時点の参考値です。つみたて投資枠の対象ファンドは金融庁が定める基準を満たしたものに限られます。最新情報は各証券会社・運用会社の公式サイトでご確認ください。

💡 用語メモ:「信託報酬」とは?
投資信託を保有している間、継続的にかかる運用コストです。年率で表示され、毎日少しずつ基準価額から差し引かれます。低いほど長期的に有利です。

方法②:ETF(上場投資信託)

ETF(Exchange Traded Fund)は、投資信託と株式の中間のような商品です。証券取引所に上場しており、株式と同じようにリアルタイムで売買できます

代表的なNASDAQ100連動ETFとしては、米国市場に上場しているQQQ(Invesco QQQ Trust)QQQM(Invesco NASDAQ 100 ETF)があります。日本の証券会社からこれらの米国ETFを購入することも可能です。また東証(東京証券取引所)に上場しているNASDAQ100連動ETFも複数存在し、日本円・日本時間で売買できます。

方法③:個別株(直接投資)

Apple・NVIDIAなどNASDAQ上場企業の株式を直接購入する方法です。ただし、個別株は企業固有のリスクが高く、初心者には難易度が上がります。特定の企業の業績悪化や不祥事があると、指数全体には影響が軽微でも、その株だけが大きく下落することがあります。投資に慣れてきてから検討するのがよいでしょう。

新NISAでNASDAQ100に投資する方法

2024年から始まった新NISA(少額投資非課税制度)を活用すると、NASDAQ100への投資で得られた利益に税金がかかりません(通常は約20.315%課税)。非課税期間は無期限のため、長期投資においてとても大きなメリットです。

新NISAには「つみたて投資枠(年間120万円)」と「成長投資枠(年間240万円)」の2種類があります。

NISA枠 年間投資上限 NASDAQ100投資信託 特徴
つみたて投資枠 120万円 一部ファンドが対象 積立専用、長期投資向け
成長投資枠 240万円 多くのファンドが対象 一括・積立どちらも可

つみたて投資枠の対象ファンドは金融庁が一定の基準(信託報酬の上限等)を定めており、すべてのNASDAQ100連動ファンドが対象になるわけではありません。最新のつみたて投資枠対象ファンド一覧は、金融庁のウェブサイトまたは各証券会社の検索機能でご確認ください。

🎯 新NISAでNASDAQ100に投資するステップ

  1. STEP 1SBI証券・楽天証券・マネックス証券などのネット証券でNISA口座を開設する(無料・本人確認書類が必要)
  2. STEP 2「NASDAQ100」「ナスダック100」で投資信託を検索し、信託報酬が低いファンドを選ぶ
  3. STEP 3「つみたて投資枠」または「成長投資枠」でファンドを購入・積立設定する
  4. STEP 4長期・積立を続ける(相場の上下で焦らないことが大切です)
✅ 初心者へのアドバイス
投資初心者の方は、まず「つみたて投資枠×NASDAQ100連動ファンド×毎月積立」という組み合わせから始めるのが取り組みやすいです。毎月一定額を積み立てることで、価格が高いときは少なく・安いときは多く買える「ドルコスト平均法」の効果が働きます。

⚠️ NASDAQのリスクと注意点

NASDAQへの投資はリターンの可能性がある一方で、当然リスクもあります。投資を検討する前に、どのようなリスクがあるかをきちんと把握しておくことがとても大切です。

ハイテクセクター集中リスク

NASDAQ100はApple・Microsoft・NVIDIAなどのハイテク大型株が全体の多くを占めており、情報技術(IT)セクターだけで全体の約54%、コミュニケーション・サービスを合わせると約66%程度を占めます(Invesco QQQ Fact Sheet 2026年Q1末・野村アセットマネジメント資料参照)。つまり、ハイテク産業全体が不調になると、NASDAQ100も大きく下落する可能性があるということです。S&P500と比べると業種の分散が少ないため、特定セクターへの依存度が高い点を理解しておきましょう。

たとえば金利の上昇局面(インフレ対策で中央銀行が金利を引き上げるとき)には、将来の利益が重視されるハイテク成長株が売られやすい傾向があります。2022年1月〜10月にかけて、NASDAQ100は約36.7%下落した局面がありました(同期間のNYダウ▲22.4%、S&P500▲27.4%と比べ下落幅が大きかった)。

⚠️ セクター集中リスクの考え方
NASDAQ100だけに全資産を集中させるのは、特に短期的には大きなリスクになり得ます。S&P500や全世界株式(オルカン)などと組み合わせることで、分散効果を高める方法も検討してみてください。

為替リスク(円高が与える影響)

NASDAQ100連動の投資信託は、米国の株式に投資するためドル建て資産になります。日本円で購入・売却するため、為替レートの変動が運用結果に影響します。

たとえば、ドル建てでNASDAQ100が10%上昇していても、その間に円高(ドル安)が10%進んでいた場合、円換算での利益はほぼゼロになってしまいます。逆に円安のときは、株価が上がらなくても円換算では利益が増えます。

為替の動き 円換算での影響 具体例
円安(ドル高) プラス方向 1ドル=140円→150円になると資産が増える
円高(ドル安) マイナス方向 1ドル=150円→140円になると資産が減る

為替変動は株価とは別の変動要因です。長期投資では為替の影響が薄れることも多いですが、短期的な影響は無視できないため、円高リスクを念頭に置いたうえで投資判断することが大切です。

過去の主な下落事例

NASDAQは過去に何度か大きな下落を経験しています。投資前に知っておきたい過去のデータを確認しておきましょう。

下落イベント 時期 NASDAQ100の下落率(概算) 備考
ドットコムバブル崩壊 2000〜2002年 約80%超(ピークからの下落) NASDAQ総合指数は約78%下落
リーマンショック 2008〜2009年 約40〜55%(指数・期間による) 比較的早期に回復
コロナショック 2020年2〜3月 約28%前後 約半年で高値を回復
米国利上げ局面 2022年 約33〜37%(計測期間による) 2022年1〜10月はNASDAQ100▲36.7%

※上記は参考値です。指数の種類・計測期間・計算方法によって数値は異なります。過去の実績は将来の結果を保証するものではありません。
※ドットコムバブル崩壊について:NASDAQ総合指数は2015年4月23日に崩壊前の高値を回復。NASDAQ100指数はその後2016年8月に旧高値を更新しています。指数の種類によって回復時期が異なります。

ドットコムバブル崩壊では、指数の種類により高値からの回復に10年以上かかったとされています。短期的な資金で投資すると、回復を待てずに損失を確定させてしまうリスクがあります。NASDAQへの投資は「少なくとも10年以上使わない余裕資金で」というのが基本的な考え方です。

⚠️ 投資前に確認しておきたいこと
生活防衛資金(生活費の3〜6ヶ月分)は投資に回さず手元に残しておきましょう。投資するのはあくまで「当面使う予定のない余裕資金」が原則です。

❓ よくある質問(FAQ)

NASDAQについてよく寄せられる質問と、その回答をまとめました。

  • Q
    NASDAQとダウ・S&P500、どれに投資すればいいですか?

    A
    どれが「正解」とは一概に言えず、それぞれに特徴があります。

    分散を重視するならS&P500や全世界株式(オルカン)が選ばれることが多いです。業種の幅が広く、一つのセクターへの依存が少ないためです。

    ハイテク成長企業への投資を検討するならNASDAQ100が選択肢に入ります。過去の長期リターンはS&P500より高い傾向がありましたが、値動きも大きくなります。

    NYダウはダウ・ジョーンズ工業株30種平均とも呼ばれ、NYSEとNASDAQの両方から選ばれた米国を代表する30銘柄で構成される歴史ある指数です。業種バランスに配慮して選ばれており、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出しています。

    ご自身のリスク許容度(どのくらいの値下がりまで耐えられるか)や投資期間に合わせて選びましょう。投資初心者の方はまずS&P500から始めて、慣れてきたらNASDAQ100を一部加えるという方法も取り組みやすいです。

  • Q
    NASDAQに投資するのにおすすめの証券会社はありますか?

    A
    NASDAQ100連動の投資信託を購入するのであれば、SBI証券・楽天証券・マネックス証券などの主要なネット証券が取り扱いが豊富で使いやすいです。

    口座開設は基本的に無料で、証券会社によっては100円から積立投資ができるため、少額からでも始めやすい環境が整っています。各社の公式サイトでキャンペーン情報やサービス内容も確認してみてください。

    なお、証券会社の選択は最新のサービス内容・手数料を各社の公式サイトでご確認のうえ、ご自身で判断されることをおすすめします。

  • Q
    NASDAQ100の平均的なリターンはどのくらいですか?

    A
    野村アセットマネジメントの資料によると、過去20年でNASDAQ100はS&P500を大きく上回り約18倍という実績がありますが、これは過去の実績であり、将来のリターンを約束するものではありません

    特に計測する期間・開始・終了のタイミングによって数値は大きく変わります。たとえばドットコムバブル崩壊直前に投資を始めた場合、指数の種類によっては回復まで10年以上かかった方もいました。

    リターンの高さだけでなく、値下がりリスクの大きさも同時に理解したうえで、長期・積立・分散という基本を守ることが大切です。

  • Q
    新NISAのつみたて投資枠でNASDAQ100に投資できますか?

    A
    はい、一部のファンドはつみたて投資枠でも購入できます。「楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンド」「ニッセイNASDAQ100インデックスファンド」「iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」などがつみたて投資枠対応として知られています。

    ただし、つみたて投資枠の対象ファンドは金融庁が一定の基準(信託報酬の上限など)を定めており、すべてのNASDAQ100連動ファンドが対象になるわけではありません。成長投資枠ではより多くのファンドを購入できます。

    最新のつみたて投資枠対象ファンド一覧は、金融庁のウェブサイトまたは各証券会社の検索機能で確認できます。

  • Q
    NASDAQとナスダックは同じものですか?

    A
    はい、まったく同じものです。「NASDAQ」を日本語読みしたのが「ナスダック」です。英字表記の「NASDAQ」とカタカナ表記の「ナスダック」は同一の証券取引所・指数を指しています。

    ニュースや証券会社によって表記が異なることがありますが、意味は同じですので混乱しないでくださいね。

  • Q
    NASDAQ総合指数とNASDAQ100はどちらを基準に見ればいいですか?

    A
    日本で購入できるNASDAQ連動の投資信託のほとんどはNASDAQ100を対象にしているため、投資目的であればNASDAQ100の動きを中心に確認するのが実用的です。

    NASDAQ総合指数は市場全体の雰囲気を把握するのに使われることが多く、ニュースで「ナスダックが上昇・下落」と言うときはこちらを指していることもあります。

    目的に応じて使い分けると良いでしょう。

  • Q
    NASDAQに投資するとき、どのくらいの金額から始められますか?

    A
    投資信託であれば100円から積立投資ができる証券会社もあります(SBI証券・楽天証券など)。毎月1,000円・5,000円といった少額から始めて、慣れてきたら増額するという方法がよく取られています。

    米国ETF(QQQなど)を購入する場合は、1株単位での購入になるため、数万円〜数十万円程度の資金が必要になることがあります。少額からコツコツ始めたい方には、まず投資信託の積立が取り組みやすいです。

    大切なのは金額よりも「長く続けること」です。無理のない金額で始めましょう。


📝 まとめ

NASDAQは1971年2月8日に証券取引を開始した世界初の電子株式市場で、現在はNasdaq, Inc.が運営しています。新興企業向け株式市場としては世界最大の規模を誇り、AppleやMicrosoft、NVIDIAといった世界を代表するハイテク企業が上場しています。

日本に住む私たちがNASDAQに関わるとすれば、多くの場合はNASDAQ100に連動する投資信託を新NISAで積み立てるという形になります。少額から始められ、プロが運用してくれるため、投資初心者にも取り組みやすい方法です。

ただし、ハイテクセクターへの集中・為替リスク・過去の大きな下落といったリスクをきちんと把握したうえで、長期・積立・分散という原則を守りながら向き合うことが大切です。

✅ この記事のポイントまとめ

  • NASDAQは1971年2月8日に取引を開始した世界初の電子株式市場。現在はNasdaq, Inc.が運営。
  • 新興企業向け株式市場として世界最大の規模。時価総額の全体規模はNYSEに次ぐ世界第2位。
  • NYSEは現在ハイブリッド型(電子+フロア)。NASDAQは完全電子取引で立会場なし。
  • NASDAQ総合指数(全銘柄)とNASDAQ100(金融・REIT除く上位約100社・市場時価総額の約84%カバー)は別物。
  • NASDAQ100・S&P500はいずれも時価総額加重平均。NYダウのみ株価平均型。
  • NYダウの構成30銘柄はNYSEとNASDAQの両方から選出。現在NASDAQ上場は7社。
  • 投資するなら「NASDAQ100連動インデックスファンド×新NISA」の組み合わせが初心者向け。
  • ハイテク集中・為替・過去の下落リスクを理解したうえで長期投資が基本。
⚠️ 本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資を勧誘・推奨するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。投資判断はご自身の責任において行ってください。掲載情報は執筆・更新時点のものであり、最新情報は各公式サイトでご確認ください。