はじめに
寒い季節になると無性に食べたくなるのが、あったかくて美味しい「おでん」ですよね。コンビニでも手軽に買えるおでんですが、家で作るとさらに美味しくて経済的です。
最近では、時短調理の強い味方である圧力鍋を使っておでんを作る方も増えています。通常の鍋なら何時間もかかる煮込み料理が、わずか10分程度で味の染みたおでんができあがるなんて、魔法みたいですよね。
でも、ちょっと待ってください!圧力鍋でおでんを作る際には、実は気をつけなければいけないポイントがいくつかあるんです。この記事では、以下の内容について詳しくご紹介します。
- 圧力鍋で煮込んではいけないおでんの具材
- 圧力鍋で積極的に煮込んだほうがいいおでんの具材
- 圧力鍋でおでんを作る際の注意点
- おでん以外の圧力鍋調理の注意点
これらの知識を身につけて、安全で美味しいおでんを作りましょう!
圧力鍋で煮込んではいけないおでんの具材
圧力鍋は便利な調理器具ですが、全ての食材に適しているわけではありません。特におでんの場合、以下の具材は圧力鍋での調理を避けたほうが良いでしょう。
- 練り物(ちくわ、さつま揚げ、はんぺん、ちくわぶなど)
- じゃがいも
- 餅巾着
- 厚揚げや焼き豆腐
これらの具材をおでんに入れたい場合は、別の鍋で煮込むか、圧力調理が終わった後に加えるのがおすすめです。それぞれの理由を詳しく見ていきましょう。
1. 練り物(ちくわ、さつま揚げ、はんぺん、ちくわぶなど)
練り物は、圧力鍋で調理すると以下のような問題が発生する可能性があります。
- 水分を吸収して膨張し、圧力鍋の蒸気の通り道を塞いでしまう
- 蒸気の逃げ場がなくなり、爆発の危険性が高まる
- 旨みが抜けたり、過度に膨らんだりして食感が変わってしまう
練り物の風味や歯ごたえを楽しむなら、通常の鍋で煮るのがベストです。もしくは、圧力調理後に加えて軽く温める程度にしましょう。
2. じゃがいも
じゃがいもを圧力鍋で煮ると、次のような問題が起こりやすいです。
- 過度に柔らかくなって崩れてしまう
- 出汁が濁り、おでんの透明感が失われる
じゃがいもの形や食感を残したい場合は、電子レンジで竹串が刺さるくらいに下処理をしてから、最後に出汁に浸して味をしみ込ませるのがコツです。この方法なら、ホクホクとした食感を楽しめます。
3. 餅巾着
餅巾着も圧力鍋での調理には向いていません。
- 蒸気の通り道を塞いでしまう可能性がある
- 圧力によってお餅が溶けることがある
餅巾着は別の鍋で煮込むか、圧力調理後に入れて軽く煮るのがおすすめです。こうすることで、お餅の食感を楽しみつつ、だしの味もしっかり染み込ませることができます。
4. 厚揚げや焼き豆腐などの大豆製品
厚揚げや焼き豆腐を圧力鍋で調理すると、「す」が入ってしまう可能性があります。「す」とは
- 急激な加熱によって起こる現象
- 表面に穴が開いて見た目が悪くなる
- ボソボソした硬い食感になってしまう
これらの大豆製品は、加圧調理はせずに後から入れて軽く煮る程度にしましょう。こうすることで、なめらかな食感とだしの旨みを楽しめます。
圧力鍋で積極的に煮込みたいおでんの具材
圧力鍋に入れない方がいい食材がある一方で、圧力鍋で調理することでより美味しくなる食材もあります。以下の具材は、圧力鍋での調理に適しています。
1. ゆでたまご
ゆでたまごは意外にも圧力鍋での調理に適しています。
- 味が染み込みにくい食材なので、圧力鍋で煮込むことでより美味しく仕上がる
- 圧力鍋で加圧すると弾力が出て、しっかりとした食感になる
ただし、柔らかいゆで卵が好きな方は、別鍋で煮込むか、圧力調理の時間を短めにするなどの工夫が必要です。
2. 牛すじ
牛すじは圧力鍋を使うことで、より簡単に美味しく調理できます。
- 通常の鍋では長時間煮込む必要がある
- 圧力鍋を使用すると短時間で柔らかくなる
- 事前に軽く茹でてから圧力鍋で煮込むと、余分な脂やアクを取り除きながら旨味を引き出せる
牛すじは圧力鍋調理の恩恵を最も受ける食材の一つと言えるでしょう。
3. こんにゃく・しらたき・昆布
これらの食材も圧力鍋での調理に適しています。
- こんにゃくやしらたきは煮崩れの心配がほとんどない
- 圧力鍋で煮込むことでしっかりと味が染み込む
- 昆布は圧力鍋で煮込むことで、出汁がたっぷりと出ておでんの風味を豊かにする
これらの食材は、圧力鍋調理によってより一層美味しくなります。
圧力鍋を使う際の注意点
圧力鍋は便利な調理器具ですが、使い方を間違えると失敗したり、最悪の場合は事故につながる可能性もあります。以下の点に注意して、安全に美味しいおでんを作りましょう。
1. 圧力鍋の最大容量以上に食材を入れない
おでんは具材をたくさん入れるほど味が染み込んで美味しくなりますが、圧力鍋を使用する際には最大容量を超えないように注意が必要です。
- 圧力鍋には最大調理量を示すラインがある
- そのラインを超えないように具材を選んで入れる
- 容量を超えると、具材が膨らんで正しく加圧されなくなり、危険が生じる可能性がある
安全第一で調理を心がけましょう。
2. だしパックの使用に注意する
市販のだしパックは便利ですが、圧力鍋での使用には注意が必要です。
- 一部の圧力鍋では使用できない場合がある
- 高圧に耐えられずに溶け出してしまうことがある
- 説明書に圧力鍋に使えないと記載されている場合は、顆粒状のだしなどを代用する
だしの素を使う場合は、必ず圧力鍋の説明書を確認しましょう。
3. 適切な量の水を入れる
圧力鍋での調理では水分のバランスが重要です。
- 通常の鍋と異なり、圧力釜は密閉された状態で加熱されるため、水分が蒸発しにくい
- 水分量が多すぎると調理時間が長くなったり、味が薄くなったりする可能性がある
- 水分量が少なすぎると食材が焦げ付いたり、圧力鍋が壊れる危険性がある
自分の圧力鍋の種類やサイズ、使用する食材の量や種類に合わせて適切な水分量を計量しましょう。
おでん以外の圧力鍋調理の注意点
圧力鍋は様々な料理に活用できる便利な調理器具ですが、おでん以外の料理を作る際にも注意が必要な食材があります。
1. 豆類
豆類を圧力鍋で調理する際は以下の点に注意しましょう。
- 皮が剥がれやすくなり、ノズルを塞ぐ可能性がある
- 最大料理量よりも少なめの分量で調理する
- うちぶたを使用すると豆の皮が飛ぶのを防げる
どうしても圧力鍋で豆類を調理したい場合は、これらの対策を講じることで比較的安全に調理できます。
2. 皮膜のある肉類
牛タンなどの皮膜がある肉類を圧力鍋で調理する際は注意が必要です。
- 調理中に皮膜が剥がれてノズルを塞ぐ可能性がある
- 事前に皮膜を取り除くか、別の調理方法を検討する
皮膜のある肉類を使用する場合は、安全性を考慮して調理方法を選択しましょう。
3. とろみのあるルウ
シチューやカレーを作る際のルウは圧力鍋での調理に適していません。
- とろみが出てしまい、ノズルを塞ぐ可能性がある
- 野菜や肉だけを圧力鍋で調理し、ルウは加圧後に加える
この方法を守ることで、安全かつ美味しいシチューやカレーを作ることができます。
4. 炭酸飲料
お肉をビールやコーラで煮るレシピがありますが、圧力鍋では注意が必要です。
- 炭酸を含むものを加熱すると吹きこぼれたり爆発する恐れがある
- 調理するときは別鍋か蓋を開けた状態で加熱して、炭酸をしっかり飛ばす
- 炭酸が飛んだあとであれば加圧しても大丈夫
炭酸飲料を使用する際は、必ず事前に炭酸を抜いてから圧力鍋で調理しましょう。
5. 酒類や油類、重曹
これらの調味料も圧力鍋での調理には注意が必要です。
- 加圧されると膨らんで爆発する可能性がある
- 加圧が終わって減圧し終えてから加えると安全に調理できる
これらの調味料は、圧力調理後に加えることで安全に使用できます。
圧力鍋でおでんを美味しく作るコツ
ここまで、圧力鍋でおでんを作る際の注意点を見てきましたが、ここからは実際においしいおでんを作るためのコツをご紹介します。
1. だしの取り方
おでんの命はだしです。圧力鍋を使ってより濃厚なだしを取りましょう。
- 昆布とかつお節を使って一番だしを取る
- 圧力鍋で15分程度加圧することで、通常の方法より短時間で濃厚なだしが取れる
- だしを取った後、具材を入れて再度加圧調理する
このように二段階で調理することで、より深みのあるおでんに仕上がります。
2. 具材の下準備
圧力鍋で調理する前に、具材の下準備をしっかり行いましょう。
- 大根やこんにゃくは下茹でして、アクを抜く
- 牛すじは軽く茹でて余分な脂を落とす
- 卵は事前にゆでておく
これらの下準備を行うことで、より美味しいおでんに仕上がります。
3. 調味料の配合
圧力鍋で調理する際の調味料の配合は以下を参考にしてください。
- 水:1リットル
- 酒:100ml
- みりん:50ml
- 醤油:100ml
- 砂糖:大さじ2
これらの調味料を加えた後、具材を入れて15分程度加圧調理します。
4. 圧力調理後の仕上げ
圧力調理が終わったら、以下の手順で仕上げましょう。
- 自然減圧を待つ
- 蓋を開けて、練り物や厚揚げなどを加える
- 弱火で10分程度煮込む
- 火を止めて、余熱で味を馴染ませる
これらの手順を踏むことで、圧力鍋の利点を活かしつつ、全ての具材が美味しく仕上がります。
圧力鍋で作るおでんのアレンジレシピ
基本のおでんに慣れてきたら、アレンジレシピにも挑戦してみましょう。以下にいくつかのアイデアをご紹介します。
1. トマトおでん
通常のだしに加えてトマトジュースを使用することで、洋風な味わいのおでんに
- だし汁の3分の1をトマトジュースに置き換える
- ローリエやバジルなどのハーブを加える
- 具材にソーセージやチーズ入りさつま揚げを使用する
洋風の味付けで、子供にも人気のおでんに仕上がります。
2. カレーおでん
おでんの出汁にカレールーを加えることで、スパイシーな味わいに
- 圧力調理後、カレールーを溶かし入れる
- 具材にじゃがいもや人参を加える
- 仕上げにココナッツミルクを加えてまろやかに
カレーの風味とおでんの具材が絶妙にマッチします。
3. 塩麹おでん
醤油の代わりに塩麹を使用することで、まろやかな味わいに
- 通常の醤油の量を塩麹に置き換える
- 具材に白身魚やささみを加える
- 仕上げに柚子の皮を加えて爽やかさをプラス
塩麹の効果で、より深みのある味わいのおでんになります。
まとめ
圧力鍋を使用しておでんを作る際は、以下の点に注意しましょう。
- 練り物(ちくわ、さつま揚げ、はんぺん、ちくわぶ)は圧力鍋に入れない
- じゃがいもは柔らかくなりすぎるため、別調理がおすすめ
- 厚揚げや焼き豆腐は「す」が入る可能性があるため、後から加える
- 牛すじやこんにゃくは圧力鍋調理に適している
- 最大容量を守り、適切な水分量で調理する
- だしパックの使用は説明書を確認する
これらの注意点を守りつつ、アレンジを加えることで、より美味しくバラエティ豊かなおでんを楽しむことができます。圧力鍋の特性を理解し、安全に使用することで、短時間で美味しいおでんを作ることができます。ぜひ、自分好みのおでんレシピを見つけて、寒い季節を温かく過ごしましょう。