社会保険への加入条件を解説|従業員・事業所の判定基準と手続き

社会保険への加入条件を解説。パート・アルバイトの加入条件、月額8.8万円の計算方法、2024年10月改正の影響まで。社会保険への加入義務があるか今すぐチェック!

「パートで働いているけど、社会保険に入らないといけないの?」「うちの会社は従業員が少ないけど、加入義務があるの?」そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

社会保険の加入条件は、2024年10月の法改正でさらに拡大され、多くの短時間労働者が新たに加入対象となりました。また、令和9年(2027年)以降も段階的に適用範囲が広がる予定です。

この記事では、事業所と従業員それぞれの加入条件を最新情報に基づいて分かりやすく解説します。

📋 この記事でわかること

  • 事業所(会社)が社会保険に加入すべき条件
  • 従業員が社会保険に加入する基準(正社員・パート・アルバイト別)
  • 2024年10月改正と今後の法改正スケジュール
  • 月額8.8万円の正しい計算方法
  • 社会保険加入のメリット・デメリット
  • 加入手続きの流れと必要書類
  • よくある質問とトラブル対処法

社会保険とは?基本的な仕組みと種類

まず、「社会保険」という言葉の意味を整理しておきましょう。普段なにげなく使っている言葉ですが、実は2つの意味があるんです。

狭義の社会保険(健康保険・厚生年金保険)

一般的に「社会保険」というと、健康保険と厚生年金保険の2つを指すことが多いです。この2つは企業に雇用されている人が加入する保険制度で、加入すると保険証がもらえたり、将来の年金が増えたりします。

🏥 健康保険の主な給付内容

  • 療養の給付:病院での自己負担が原則3割になる
  • 傷病手当金:病気やケガで働けないときに給与の約3分の2が支給される
  • 出産手当金:産前産後休業中に給与の約3分の2が支給される
  • 高額療養費:医療費が高額になったときの払い戻し制度

💰 厚生年金保険の主な給付内容

  • 老齢厚生年金:国民年金に上乗せして年金がもらえる
  • 障害厚生年金:障害を負ったときの年金が手厚くなる
  • 遺族厚生年金:亡くなったときに遺族が受け取れる年金

💡 ポイント:国民健康保険や国民年金との大きな違いは、保険料の半分を会社が負担してくれることと、給付内容が充実していることです。

広義の社会保険(雇用保険・労災保険を含む)

広い意味では、雇用保険と労災保険も含めて「社会保険」と呼ぶことがあります。これらを合わせて「労働保険」とも言います。

保険の種類 主な内容 保険料負担
雇用保険 失業したときの給付、育児休業給付など 労使折半(会社と従業員で分担)
労災保険 仕事中や通勤中のケガ・病気の補償 全額会社負担

この記事では、主に狭義の社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入条件について詳しく解説していきますね。

社会保険と国民健康保険・国民年金の違い

会社員が加入する社会保険と、自営業の方などが加入する国民健康保険・国民年金にはどんな違いがあるのでしょうか。

項目 社会保険 国民健康保険・国民年金
対象者 会社員、公務員など 自営業者、無職の方など
保険料負担 会社と本人で折半 全額自己負担
扶養制度 あり(配偶者や子どもを無料で扶養可能) なし(家族それぞれが加入)
年金額 国民年金+厚生年金(平均月15万円程度) 国民年金のみ(満額で月6.8万円程度)
傷病手当金 あり なし

このように、社会保険の方が保障内容が充実している一方で、国民健康保険・国民年金は全額自己負担となるため、パートで働く場合はどちらに加入するかによって家計への影響が大きく変わってきます。

【事業所側】社会保険の加入条件

それでは、どんな会社が社会保険に加入する義務があるのか見ていきましょう。事業所(会社)の加入には、強制的に加入しなければならない場合任意で加入できる場合があります。

強制適用事業所とは

「強制適用事業所」とは、必ず社会保険に加入しなければならない事業所のことです。法律で加入が義務付けられているため、該当する場合は必ず手続きをする必要があります。

法人事業所の場合(従業員数問わず加入義務)

株式会社、合同会社、社会福祉法人など、法人格を持つ事業所は従業員数に関係なく強制適用となります。これには重要なポイントがあります。

⚠️ 重要なポイント

  • 代表取締役1人だけの会社でも加入義務があります
  • アルバイトやパートしか雇っていなくても加入が必要です
  • 従業員を雇う予定がなくても、法人を設立した時点で加入手続きが必要です

「うちは小さい会社だから」「まだ従業員を雇っていないから」という理由では免除されないんですね。法人を設立したら、まずは社会保険の加入手続きを進めましょう。

個人事業所の場合(常時5人以上)

個人事業主の場合は、常時5人以上の従業員を雇用している場合に強制適用となります。ここでいう「常時5人以上」とは、正社員だけでなく、パートやアルバイトも含めた人数です。

ただし、週の労働時間が非常に短い従業員(週20時間未満など)は人数に含めない場合もあるので、詳しくは年金事務所に確認するのが確実ですよ。

非適用業種(農林漁業等)

個人事業所の場合、以下の業種は5人以上雇用していても強制適用にならないことがあります。

  • 農業
  • 林業
  • 漁業
  • 畜産業
  • 水産業
  • 一部のサービス業(飲食店、理美容業、法務業など)

⚠️ 注意:ただし、これらの業種でも法人化すれば強制適用となります。また、従業員の過半数の同意があれば任意で加入することも可能です。

任意適用事業所とは

強制適用に該当しない事業所でも、事業主と従業員の合意があれば社会保険に加入できます。これを「任意適用事業所」といいます。

申請方法と必要書類

任意適用事業所として社会保険に加入するには、以下の手続きが必要です。

📝 任意適用申請の流れ

  1. 従業員の同意を得る:従業員の2分の1以上の同意が必要です
  2. 必要書類を準備する
    • 任意適用申請書
    • 従業員の同意書
    • 事業主の世帯全員の住民票
    • 登記簿謄本(法人の場合)
  3. 所轄の年金事務所に提出する:事業所の所在地を管轄する年金事務所に提出します
  4. 承認を受ける:年金事務所で審査が行われ、承認されると適用事業所となります

脱退の条件

一度任意適用事業所になると、簡単には脱退できません。脱退するには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 従業員の4分の3以上の同意を得ること
  • 厚生労働大臣の認可を受けること

従業員にとっては社会保険がなくなると不利益になることもあるため、脱退のハードルは高く設定されているんですね。

💡 経営者の方へ:任意適用を検討する際は、保険料の負担増だけでなく、従業員の満足度向上や優秀な人材の確保につながるというメリットも考慮しましょう。最近では、社会保険完備が求人の重要な条件になっているケースも多いですよ。

【従業員側】社会保険の加入条件

ここからは、従業員として働く側の加入条件について詳しく見ていきましょう。正社員だけでなく、パートやアルバイトの方も条件を満たせば加入対象となります。

正社員・フルタイム労働者の加入条件

まず、正社員や契約社員など、フルタイムで働く方の加入条件はシンプルです。適用事業所に常時使用される従業員は、原則として全員が社会保険に加入します。

✅ 加入対象となる従業員

  • 正社員(試用期間中を含む)
  • 契約社員(期間の定めがあっても2ヶ月を超える雇用見込みがあれば対象)
  • 代表取締役や役員
  • 外国人労働者(就労ビザを持って働いている場合)

💡 豆知識:試用期間中だからといって加入を遅らせることはできません。入社日から加入手続きが必要です。

パート・アルバイトの加入条件

パートやアルバイトの方の場合、働く時間の長さによって加入条件が変わってきます。大きく分けて2つの基準があります。

4分の3基準(所定労働時間・日数)

最も基本的な基準が「4分の3基準」です。これは、週の所定労働時間および月の所定労働日数が、正社員の4分の3以上であれば社会保険に加入するというルールです。

📊 具体的な基準の目安

  • 週の労働時間:正社員が週40時間なら、週30時間以上で対象
  • 月の労働日数:正社員が月20日なら、月15日以上で対象

※両方の条件を満たす必要はなく、どちらか一方を満たせば加入対象となります。

例えば、週4日、1日7.5時間働くパートさんの場合、週30時間となるので4分の3基準を満たし、社会保険に加入する必要があります。

短時間労働者の特定適用(2024年10月改正反映)

4分の3基準を満たさない短時間労働者でも、5つの条件をすべて満たす場合は社会保険に加入します。これが2024年10月に大きく変わったポイントなんです。

🔍 短時間労働者の加入条件(5つすべてに該当する必要があります)

  1. 週の所定労働時間が20時間以上であること
  2. 月額賃金が8.8万円以上(年収約106万円以上)であること
  3. 2ヶ月を超える雇用の見込みがあること
  4. 学生でないこと(昼間の学生は除外、夜間・通信制は対象)
  5. 従業員数が51人以上の事業所で働いていること

⚠️ 2024年10月の変更点:これまで「従業員101人以上」だった企業規模要件が「51人以上」に拡大されました。また、「1年以上の雇用見込み」という条件がなくなり、「2ヶ月超」に短縮されています。

この改正により、新たに約65万人の短時間労働者が社会保険の対象となりました。「今まで対象外だったのに、急に加入を求められた」という方も多いのではないでしょうか。

加入条件判定フローチャート

「結局、私は加入対象なの?」と迷ってしまう方も多いと思います。以下のフローで確認してみましょう。

📋 あなたは社会保険の加入対象?チェックフロー

  1. あなたの働き方は?
    • 正社員・フルタイム → 加入対象です
    • パート・アルバイト → 次の質問へ
  2. 週の労働時間は?
    • 週30時間以上(または月の労働日数が正社員の3/4以上)→ 加入対象です
    • 週20時間以上30時間未満 → 次の質問へ
    • 週20時間未満 → 現時点では加入対象外(ただし今後の法改正で変わる可能性あり)
  3. 月収は8.8万円以上?
    • はい → 次の質問へ
    • いいえ → 加入対象外
  4. 2ヶ月を超えて働く見込みはある?
    • はい → 次の質問へ
    • いいえ → 加入対象外(ただし更新の可能性があれば対象)
  5. 学生ですか?
    • はい(昼間の学生)→ 加入対象外
    • いいえ(または夜間・通信制の学生)→ 次の質問へ
  6. 勤務先の従業員数は51人以上?
    • はい → 加入対象です
    • いいえ → 現時点では加入対象外(ただし令和9年以降は段階的に対象拡大)

💡 判定のポイント:従業員数のカウント方法は「厚生年金保険の被保険者数」で判断します。パートやアルバイトも含めますが、短時間労働者で加入条件を満たしていない人は除外します。

月額8.8万円の計算方法と注意点

短時間労働者の加入条件に出てくる「月額8.8万円」という金額。これは年収に換算すると約106万円になるため、「106万円の壁」と呼ばれることもあります。でも、何が含まれて何が含まれないのか、正確に理解していますか?

含まれるもの(基本給・各種固定手当)

月額8.8万円の判定に含まれるものは、基本給と各種の固定手当です。

✅ 月額8.8万円に含まれるもの

  • 基本給:時給×所定労働時間で計算される部分
  • 役職手当:店長手当、主任手当など
  • 資格手当:保育士手当、調理師手当など
  • 住宅手当:家賃補助など
  • 家族手当:扶養手当など

含まれないもの(残業代・賞与・交通費等)

一方、含まれないものもたくさんあります。これを知らないと、「あれ?月10万円もらってるのに加入対象じゃないの?」ということが起こります。

❌ 月額8.8万円に含まれないもの

  • 残業代:時間外労働、休日労働、深夜労働の割増賃金
  • 賞与:ボーナス、臨時的な手当
  • 通勤手当:交通費の実費支給
  • 精皆勤手当:皆勤賞など
  • 臨時に支払われる賃金:結婚祝い金など

💡 重要:判定に使うのは「所定内賃金」です。実際に支給される金額ではなく、雇用契約で決められた基本的な賃金で判断するんですね。

計算例とシミュレーション

具体的な例で見てみましょう。

📝 ケース1:時給1,100円、週24時間勤務のパートさん

  • 月の所定労働時間:24時間 × 4.3週 = 103.2時間
  • 月額賃金:1,100円 × 103.2時間 = 113,520円
  • 通勤手当:月8,000円(実費支給)

判定:通勤手当は除外するため、月額113,520円 > 88,000円で加入対象となります。

📝 ケース2:時給1,000円、週22時間勤務、残業が多いパートさん

  • 月の所定労働時間:22時間 × 4.3週 = 94.6時間
  • 月額賃金(所定内):1,000円 × 94.6時間 = 94,600円
  • 実際の支給額:残業代込みで月12万円

判定:残業代は除外するため、所定内賃金の94,600円で判定し、加入対象となります。

📝 ケース3:時給950円、週20時間勤務のアルバイトさん

  • 月の所定労働時間:20時間 × 4.3週 = 86時間
  • 月額賃金:950円 × 86時間 = 81,700円

判定81,700円 < 88,000円のため、加入対象外です。

⚠️ 注意点:週の労働時間が変動する場合は、雇用契約書に記載された所定労働時間で判定します。実際の労働時間が月によって増減しても、契約上の時間で判断するんですね。

もし「扶養内で働きたいから月8.8万円を超えないようにしたい」という場合は、雇用契約の段階で時間を調整する必要があります。契約後に「今月は少し減らしてください」と言っても、判定には影響しないんです。

特例的な加入パターン

ここまでは一般的な加入条件を見てきましたが、例外的なケースもいくつかあります。特殊な働き方をしている方は、こちらも確認してみてくださいね。

2ヶ月以内の短期雇用者

原則として、雇用期間が2ヶ月以内と見込まれる場合は社会保険の加入対象外です。しかし、以下のような場合は例外的に加入が必要になります。

⚠️ 2ヶ月以内でも加入が必要なケース

  • 契約更新の規定がある場合:就業規則や雇用契約書に「更新する場合がある」と書かれている
  • 更新の実績がある場合:同じような雇用契約で、過去に更新された従業員がいる
  • 実際に2ヶ月を超えて働いた場合:当初は2ヶ月以内の予定だったが、実際には延長された

例えば、「2ヶ月の期間限定バイト」という募集で働き始めても、契約書に「双方合意の上で更新することがある」と書いてあれば、最初から加入対象となるんですね。

💡 実務のポイント:短期アルバイトを雇う際は、本当に2ヶ月で終わるのか、更新の可能性があるのかを明確にしておくことが大切です。

70歳以上の被用者

70歳になると、社会保険の扱いが少し変わります。

👴👵 70歳以上の方の社会保険

  • 厚生年金保険:70歳で被保険者資格を自動的に喪失します(保険料の支払いも不要に)
  • 健康保険:75歳になるまで引き続き加入を継続します
  • 75歳以降:後期高齢者医療制度に移行します

つまり、70歳から74歳までは「健康保険には入っているけど、厚生年金には入っていない」という状態になるわけですね。この期間は厚生年金保険料の負担がなくなるため、企業側・従業員側ともに保険料が減少します。

⚠️ 注意:ただし、70歳以降も「在職老齢年金」の仕組みは適用されるため、給与額によっては年金が減額されることがあります。

複数事業所で勤務している場合

「昼は会社でパート、夜は別の会社でバイト」というように、2つ以上の事業所で働いている方もいらっしゃいますよね。それぞれの事業所で加入条件を満たしている場合、どうなるのでしょうか。

📋 複数事業所勤務の手続き

  1. 両方の事業所で加入:それぞれの事業所で社会保険の被保険者となります
  2. 主たる事業所を選択:どちらを「主」とするか、自分で選びます
  3. 「二以上事業所勤務届」を提出:加入条件を満たした日から10日以内に、主たる事業所の管轄年金事務所に提出
  4. 保険料の計算:両方の給与を合算した額で標準報酬月額を決定し、それぞれの事業所の給与額に応じて按分します

例えば、A社で月12万円、B社で月8万円の給与をもらっている場合、合計20万円で標準報酬月額が決まり、A社とB社それぞれの給与の比率(12:8 = 3:2)で保険料を分担します。

💡 掛け持ちで働く方へ:複数の職場を掛け持ちする場合、それぞれで加入条件を満たすと保険料負担が大きくなることがあります。働き方を調整する際は、トータルの収入と保険料負担を計算してみましょう。

試用期間中の従業員

「試用期間中だから社会保険はまだいいかな」と思っている企業もあるかもしれませんが、これは間違いです。

試用期間中であっても、加入条件を満たしていれば入社日から社会保険に加入する必要があります。試用期間が終わってから加入、ということはできないんですね。

⚠️ よくある間違い

  • ❌ 「試用期間の3ヶ月が終わってから加入させよう」→ 違法です
  • ⭕ 「試用期間中でも入社日から加入手続きをする」→ 正しい対応です

派遣社員・日雇い労働者

派遣社員の場合、加入義務があるのは派遣元の会社です。派遣先ではありません。派遣会社が適用事業所で、あなたが加入条件を満たしていれば、派遣会社で社会保険に加入します。

日雇い労働者の場合は、以下のようになります。

  • 日々雇用される者は原則として加入対象外
  • ただし、1ヶ月を超えて引き続き雇用される場合は、1ヶ月を超えた日から加入対象

社会保険加入のメリット

「社会保険に加入すると手取りが減る」というデメリットばかりが注目されがちですが、実はメリットもたくさんあります。従業員側と企業側、それぞれのメリットを見ていきましょう。

従業員側のメリット

年金受給額の増加

最も大きなメリットは、将来もらえる年金が増えることです。

💰 年金額の比較(40年間保険料を払った場合)

  • 国民年金のみ:月額約6.8万円
  • 厚生年金あり(平均的な収入の場合):月額約15.2万円
  • 差額月8.4万円、年間約100万円の違い

長い老後を考えると、この差はとても大きいですよね。仮に90歳まで生きるとすれば、65歳から25年間で約2,500万円の差が出る計算になります。

傷病手当金・出産手当金の受給

健康保険には、国民健康保険にはない手当金制度があります。

🏥 傷病手当金

  • 病気やケガで働けなくなったときに支給される
  • 給与の約3分の2(正確には標準報酬日額の3分の2)が最長1年6ヶ月支給
  • 例:月収18万円の場合、1日あたり約4,000円が支給される

👶 出産手当金

  • 産前42日+産後56日の合計98日間、給与の約3分の2が支給される
  • 例:月収18万円の場合、約40万円が支給される
  • 出産一時金(50万円)とは別に支給される

国民健康保険にはこれらの制度がないため、大きな違いですね。

保険料の半額負担(企業が負担)

社会保険料は会社と従業員で半分ずつ負担します。つまり、実質的には保険料の半額で、国民健康保険より手厚い保障が受けられるわけです。

項目 社会保険 国民健康保険・国民年金
月収15万円の場合の保険料 約2.2万円(本人負担)
※会社も同額負担
約3.5万円(全額自己負担)
年間保険料 約26.4万円 約42万円
差額 年間約15.6万円お得

💡 ポイント:保険料だけ見ると国民健康保険の方が高く、しかも給付内容は社会保険の方が充実しているんです。

障害年金・遺族年金の充実

万が一、障害を負ったり、亡くなったりした場合の保障も手厚くなります。

  • 障害年金:国民年金の障害基礎年金に加えて、障害厚生年金が上乗せされる
  • 遺族年金:国民年金の遺族基礎年金に加えて、遺族厚生年金が上乗せされる

特に遺族厚生年金は、子どもがいない配偶者でも受給できるため、残された家族の生活を支える大きな助けとなります。

企業側のメリット

人材確保・定着率向上

求人を出すとき、「社会保険完備」は大きなアピールポイントになります。特に優秀な人材ほど、福利厚生を重視する傾向があります。

また、社会保険に加入していることで従業員の安心感が高まり、離職率の低下にもつながります。採用コストや教育コストを考えると、長期的には大きなメリットですね。

企業の信頼性・イメージ向上

社会保険に適切に加入している企業は、コンプライアンス意識が高いという評価を受けます。取引先や金融機関からの信用度も上がりますし、求職者からも選ばれやすくなります。

助成金・補助金申請での有利性

多くの助成金や補助金の申請条件には、「社会保険に適切に加入していること」という項目があります。社会保険未加入だと、せっかくの支援制度が使えないこともあるんです。

💼 社会保険加入が条件となる主な助成金

  • キャリアアップ助成金
  • 特定求職者雇用開発助成金
  • 両立支援等助成金
  • 人材開発支援助成金

社会保険加入のデメリットと対策

メリットがある一方で、デメリットもあります。特に短期的な手取り額の減少は、多くの方が気になるポイントですよね。正直にデメリットもお伝えしますので、しっかり比較検討してください。

従業員側のデメリット

手取り額の減少

最も大きなデメリットは、毎月の手取り額が減ることです。具体的にどのくらい減るのか見てみましょう。

📊 手取り額の変化(月収12万円の場合)

項目 社会保険加入前 社会保険加入後
総支給額 120,000円 120,000円
健康保険料 △6,000円
厚生年金保険料 △11,000円
雇用保険料 △360円 △360円
所得税 △1,500円 △500円
手取り額 約118,000円 約102,000円
差額 月16,000円の減少

※保険料率は2025年度の標準的な料率で計算

月16,000円、年間で約19万円の手取り減少は、確かに大きいですよね。特に「今月の生活費」を考えると、厳しいと感じる方も多いでしょう。

⚠️ ただし:この保険料のうち、厚生年金保険料は将来の年金として必ず戻ってきます。また、病気やケガの際の保障も手厚くなります。目先の手取りだけでなく、長期的な視点で考えることが大切です。

扶養から外れる影響

配偶者の扶養に入っている方が社会保険に加入すると、扶養から外れることになります。これにより、以下のような影響があります。

  • 配偶者の会社から支給される家族手当(配偶者手当)がなくなる場合がある(会社によって異なる)
  • 配偶者の税制上の配偶者控除が受けられなくなる(年収150万円を超える場合)

特に家族手当が月1〜2万円支給されている場合、扶養から外れることで世帯全体の収入が減少することもあります。社会保険に加入する前に、配偶者の会社の制度を確認しておくことをおすすめします。

企業側のデメリット

社会保険料の負担増加

企業にとっては、保険料の負担増加が最も大きなデメリットです。従業員が支払う保険料と同額を、会社も負担する必要があります。

💼 企業の負担額(従業員1人あたり)

  • 月収15万円の従業員の場合:月約2.2万円、年間約26万円
  • 月収25万円の従業員の場合:月約3.7万円、年間約44万円

従業員10人の場合、年間260万円〜440万円のコスト増となります。

特に中小企業にとっては大きな負担ですが、一方で優秀な人材を確保するための必要投資と考えることもできます。

事務手続きの煩雑化

社会保険の加入に伴い、以下のような事務作業が発生します。

  • 毎月の保険料計算と納付
  • 入社・退社時の資格取得・喪失届の提出
  • 算定基礎届、月額変更届などの定期的な手続き
  • 従業員からの問い合わせ対応

小規模な会社で人事担当者がいない場合、経営者自身がこれらの業務を行う必要があり、負担が大きくなることもあります。

年収の壁・支援強化パッケージ

「106万円の壁」や「130万円の壁」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。これらは、社会保険や扶養の関係で、年収がこの金額を超えると手取りが減る現象のことです。

💡 主な年収の壁

  • 103万円の壁:所得税が発生し、配偶者控除が満額受けられなくなる
  • 106万円の壁:従業員51人以上の企業で社会保険加入義務が発生(短時間労働者)
  • 130万円の壁:配偶者の扶養から外れ、自分で社会保険に加入する必要がある
  • 150万円の壁:配偶者特別控除が段階的に減少し始める

政府は2023年10月から「年収の壁・支援強化パッケージ」を実施しており、106万円や130万円を超えて働いても、一時的に手取りが減らないような支援を行っています。

💼 企業ができる対策

  • 社会保険適用促進手当の支給:社会保険料の負担増を補うための手当(一定期間非課税)
  • 賃上げの実施:キャリアアップ助成金を活用して基本給を引き上げる
  • 労働時間の延長:週20時間以上の労働時間を確保し、社会保険加入のメリットを説明

社会保険の加入手続きと必要書類

ここからは、実際に社会保険に加入する際の手続きについて解説します。期限が決まっている手続きなので、しっかり確認しておきましょう。

加入手続きのタイムライン

📅 加入手続きの流れと期限

  1. 入社日:従業員が入社
    • 加入条件を満たしているか確認
    • マイナンバーや年金手帳番号などの情報を収集
  2. 入社日から5日以内資格取得届を提出
    • 健康保険厚生年金保険被保険者資格取得届
    • 管轄の年金事務所または健康保険組合に提出
  3. 提出後10日程度:保険証の交付
    • 年金事務所から保険証が郵送される
    • 従業員に保険証を渡す
  4. 翌月:保険料の徴収開始
    • 入社月から保険料が発生
    • 給与から保険料を控除

⚠️ 重要:資格取得届の提出期限は入社日から5日以内です。これを過ぎると、遅延理由書の提出が必要になる場合があるので注意しましょう。

必要書類チェックリスト

社会保険の加入手続きに必要な書類をまとめました。

📋 基本的な必要書類

  • 健康保険厚生年金保険被保険者資格取得届
    • 年金事務所の窓口またはe-Govでダウンロード可能
    • 氏名、生年月日、マイナンバー、報酬月額などを記入
  • マイナンバー
    • マイナンバーカードのコピー、または通知カード+本人確認書類
  • 年金手帳(基礎年金番号がわかるもの)
    • 2022年4月以降は年金手帳が廃止され、基礎年金番号通知書が発行されています

📋 場合によって必要な書類

  • 被扶養者(異動)届:扶養家族がいる場合
  • 国民年金第3号被保険者届:配偶者を扶養に入れる場合
  • 出生証明書や戸籍謄本:扶養家族の確認が必要な場合
  • 収入証明書:扶養認定の際に収入確認が必要な場合

提出先と提出期限

書類の提出先は、加入する健康保険の種類によって異なります。

加入する健康保険 提出先
協会けんぽ
(全国健康保険協会)
事業所の所在地を管轄する年金事務所
健康保険組合 健康保険組合
(厚生年金保険の届出は年金事務所)

提出期限は入社日(資格取得日)から5日以内です。土日祝日は含まないので、実質的には1週間程度の猶予がありますが、できるだけ早く手続きすることをおすすめします。

電子申請の方法

現在は、e-Gov(イーガブ)を使った電子申請が推奨されています。紙の書類を郵送したり、窓口に持参したりする手間が省けるので便利ですよ。

💻 e-Gov電子申請の手順

  1. e-Govのアカウント作成
    • e-Govのウェブサイトでアカウント登録
    • GビズIDでのログインも可能
  2. 電子証明書の取得
    • マイナンバーカードや商業登記電子証明書を準備
  3. 申請書の作成・提出
    • e-Gov上で申請書を作成し、必要事項を入力
    • 電子署名を付与して提出
  4. 審査・交付
    • 電子申請の場合、保険証の交付も早くなることが多い

💡 電子申請のメリット:24時間いつでも申請可能、窓口に行く必要がない、書類の保管が不要、審査がスピーディーなど、たくさんのメリットがあります。

2024年10月の法改正内容と影響

2024年10月に大きな法改正が行われ、社会保険の適用範囲がさらに拡大しました。この改正により、新たに加入対象となった方も多いのではないでしょうか。

従業員51人以上への適用拡大

最も大きな変更点は、企業規模要件が「従業員101人以上」から「51人以上」に引き下げられたことです。

📊 法改正の変遷

  • 2016年10月:従業員501人以上の企業で適用開始
  • 2022年10月:従業員101人以上に拡大
  • 2024年10月従業員51人以上に拡大←今ここ
  • 2027年以降:さらに段階的に拡大予定(後述)

この改正により、約65万人の短時間労働者が新たに社会保険の加入対象となりました。

対象企業の従業員数カウント方法

「うちの会社は51人以上なのかな?」と気になりますよね。従業員数のカウント方法にはルールがあります。

👥 従業員数のカウント方法

  • カウントする人:厚生年金保険の被保険者数
  • カウントしない人
    • 短時間労働者で社会保険未加入の人
    • 70歳以上の人(厚生年金の被保険者ではないため)
    • 臨時的に雇用された人
  • 判定期間:直近12ヶ月のうち6ヶ月以上で基準を上回る

例えば、社員40人、パート30人の会社の場合、パートのうち社会保険に加入している人が12人いれば、合計52人となり対象企業となります。

企業が取るべき対応

51人以上の企業では、以下の対応が必要です。

  1. 従業員数の確認:自社が対象企業かどうかを確認
  2. 対象者の洗い出し:週20時間以上、月8.8万円以上の短時間労働者をリストアップ
  3. 従業員への説明:加入のメリット・デメリットを丁寧に説明
  4. 雇用契約の見直し:必要に応じて労働時間や給与を調整
  5. 加入手続きの実施:資格取得届を速やかに提出

⚠️ 注意:既に対象となっているのに加入手続きをしていない場合、遡って加入させられる可能性があります。その場合、過去2年分の保険料をまとめて納付する必要があるため、早めの対応が重要です。

令和9年(2027年)以降の適用拡大スケジュール

社会保険の適用拡大は、2024年10月で終わりではありません。令和9年(2027年)以降も段階的に範囲が広がる予定です。将来の計画を立てるためにも、今後のスケジュールを把握しておきましょう。

段階的な企業規模要件の撤廃

現在、厚生労働省の審議会で議論されている内容に基づくと、以下のようなスケジュールで適用範囲が拡大される見込みです。

📅 今後の適用拡大スケジュール(予定)

時期 企業規模要件 影響を受ける企業
2024年10月
(施行済み)
従業員51人以上 中小企業の一部
令和9年10月
(2027年)
従業員35人超 さらに小規模な企業
令和11年10月
(2029年)
従業員20人超 小規模事業者
令和14年10月
(2032年)
従業員10人超 零細企業
令和17年10月
(2035年)
企業規模要件の完全撤廃 全ての企業

※上記は現時点での議論に基づく予定であり、今後変更される可能性があります

最終的には、企業規模に関係なく、週20時間以上働く短時間労働者は全員が社会保険に加入することになる見込みです。

令和9年10月〜:35人超

2027年10月からは、従業員が35人を超える企業も対象となります。「今は50人以下だから大丈夫」と思っている企業も、あと2年半後には準備が必要になるわけですね。

令和11年10月〜:20人超

2029年10月には、従業員20人超の企業まで拡大されます。個人経営の飲食店や小売店なども、この時点で多くが対象となるでしょう。

令和14年10月〜:10人超

2032年10月には、従業員10人超まで拡大。ほとんどの企業が対象となります。

令和17年10月〜:完全撤廃

そして2035年10月、ついに企業規模要件が完全撤廃されます。従業員1人の小さな会社でも、短時間労働者を雇用する場合は社会保険に加入させる義務が生じます。

賃金要件(月額8.8万円)の撤廃予定

企業規模要件だけでなく、賃金要件(月額8.8万円以上)についても撤廃される方向で議論が進んでいます。

これが実現すると、週20時間以上働いていれば、収入の多少に関係なく社会保険に加入することになります。つまり、時給が低くて月8万円に届かない短時間労働者も、社会保険の対象となる可能性があるんです。

💡 影響の試算:企業規模要件と賃金要件の撤廃により、新たに約70万人が社会保険の加入対象になると推計されています。

企業が今から準備すべきこと

「まだ先の話だから」と思わず、今から準備を始めることが大切です。以下のような対策を検討しましょう。

🔧 今からできる準備5つ

  1. 従業員の労働時間・給与データの整備
    • 誰がどれくらい働いているのか、正確に把握する
    • 将来的に加入対象となりそうな従業員をリストアップ
  2. 保険料負担のシミュレーション
    • 適用拡大時の保険料負担額を試算
    • 財務計画に組み込む
  3. 従業員とのコミュニケーション
    • 将来の加入について事前に説明
    • 不安や疑問に丁寧に答える
  4. 働き方の見直し
    • 必要に応じて雇用形態や労働時間を再検討
    • 生産性向上の取り組み
  5. 助成金・支援制度の活用
    • キャリアアップ助成金などを活用して賃上げ
    • 社会保険適用促進手当の導入検討

特に小規模事業者の方は、2027年、2029年と段階的に対象となっていくので、早めに準備することで混乱を避けられますよ。

社会保険未加入の罰則

「加入条件を満たしているけど、まだ手続きしていない」という企業もあるかもしれません。しかし、社会保険の未加入には法律で罰則が定められています

事業所の罰則(6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金)

健康保険法と厚生年金保険法では、以下のように罰則が規定されています。

⚠️ 社会保険未加入の罰則

  • 健康保険法第208条:正当な理由なく届出をしない場合、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金
  • 厚生年金保険法第102条:同様に6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金

これらは両方適用される可能性があるため、最大で懲役6ヶ月+罰金100万円となることもあります。

遡及適用のリスク

罰則以上に怖いのが、遡及適用です。これは、過去に遡って社会保険に加入させられることです。

💸 遡及適用の怖さ

  • 最大2年分の保険料を一括納付:未加入期間について、最大2年分の保険料をまとめて支払う必要がある
  • 従業員負担分も立て替え:従業員から徴収できなかった分も、いったん会社が立て替える必要がある
  • 延滞金の可能性:場合によっては延滞金が加算されることも

例えば、従業員10人が2年間未加入だった場合、保険料は約500万円以上になることもあります。これを一括で支払うのは、中小企業にとって大きな負担ですよね。

労務監査への対応

年金事務所は定期的に適用促進業務を行っており、未加入の疑いがある企業を調査しています。

🔍 年金事務所の調査方法

  • 雇用保険加入記録との照合:雇用保険には加入しているのに社会保険に未加入の従業員をチェック
  • 法人登記情報の確認:新規設立法人で未加入の企業をリストアップ
  • 通報や相談:従業員や退職者からの通報も調査のきっかけとなる
  • 立入調査:必要に応じて事業所への立入調査を実施

「バレないだろう」と思っていても、意外と簡単に発覚してしまうんですね。後で大きなトラブルになる前に、きちんと加入手続きをすることをおすすめします。

よくある質問(Q&A)

ここからは、社会保険の加入条件についてよく寄せられる質問に答えていきます。

Q1. 週の労働時間が変動する場合、どう判定するの?

A. 雇用契約書に記載された所定労働時間で判定します。繁忙期に週30時間働いたり、閑散期に週15時間になったりしても、契約上週20時間以上となっていれば加入対象です。逆に、実際には毎週25時間働いていても、契約が週15時間なら現時点では対象外となります。ただし、恒常的に契約時間を超えて働いている場合は、契約内容の見直しが必要になることもあります。

Q2. 雇用契約書と実態が異なる場合はどうなる?

A. 実態に基づいて判定されます。契約書では週15時間となっているのに、実際には毎週25時間以上働いている状態が続いている場合、年金事務所の調査で「実質的には週25時間勤務」と判断されることがあります。そうなると、遡って加入が必要になる可能性も。契約書と実態を一致させることが重要です。

Q3. 大学生のアルバイトも社会保険に加入するの?

A. 昼間の学生は加入対象外です。ただし、夜間大学や通信制大学の学生は「昼間の学生」に該当しないため、他の条件を満たせば加入対象となります。また、休学中の学生も加入対象になる場合があります。定時制高校の生徒も同様に加入対象です。

Q4. 外国人労働者も社会保険に加入する必要がある?

A. はい、就労ビザで働いている外国人も加入対象です。国籍に関係なく、日本で働く以上は同じルールが適用されます。ただし、一部の国とは社会保障協定を結んでおり、一定期間のみの派遣の場合は母国の社会保険のみの加入で済むケースもあります(アメリカ、イギリス、ドイツなど約20カ国)。

Q5. 扶養内で働きたい場合、週何時間までに抑えればいい?

A. 従業員51人以上の企業の場合、週20時間未満に抑える必要があります。また、月額8.8万円未満になるよう調整も必要です。ただし、配偶者の扶養に入りたい場合は年収130万円未満という別の基準もあるため、両方を考慮しましょう。50人以下の企業なら、週30時間未満(または正社員の4分の3未満)で大丈夫です。

Q6. 複数のバイトを掛け持ちしている場合、労働時間は合算される?

A. いいえ、合算されません。それぞれの事業所ごとに判定します。A社で週15時間、B社で週15時間働いていても、合計30時間にはならず、どちらの会社でも加入対象外となります。ただし、それぞれの会社で週20時間以上、月8.8万円以上であれば、両方の会社で加入対象となります。

Q7. 2ヶ月の契約で更新予定がない場合は加入しなくていい?

A. 契約書に更新の可能性が一切記載されていなければ加入不要です。ただし、「更新することがある」「双方合意の上で延長する場合がある」といった文言があれば、最初から加入対象となります。また、実際に2ヶ月を超えて働いた時点で、遡って加入が必要になります。

その他の質問については、年金事務所や社会保険労務士に相談することをおすすめします。

まとめ 社会保険加入条件のチェックポイント

最後に、重要なポイントをおさらいしましょう。

✅ 社会保険加入の重要ポイント

  1. 事業所の加入義務
    • 法人は従業員数に関係なく強制加入
    • 個人事業所は常時5人以上で強制加入(一部業種除く)
  2. 従業員の加入条件
    • 正社員は原則全員加入
    • パート・アルバイトは週30時間以上または正社員の4分の3以上で加入
    • 週20時間以上、月8.8万円以上なら51人以上企業で加入(2024年10月改正)
  3. 月額8.8万円の計算
    • 基本給+固定手当で判定(残業代・賞与・通勤手当は除外)
    • 雇用契約書の所定内賃金で判断
  4. 2024年10月の法改正
    • 企業規模要件が101人以上から51人以上に拡大
    • 雇用見込み期間が1年以上から2ヶ月超に短縮
  5. 今後の適用拡大
    • 令和9年以降、段階的に企業規模要件を縮小
    • 令和17年には企業規模要件を完全撤廃予定
    • 賃金要件の撤廃も検討中
  6. 手続きのポイント
    • 入社日から5日以内に資格取得届を提出
    • e-Gov電子申請が便利
    • 未加入は罰則+遡及適用のリスクあり

社会保険への加入は、短期的には手取りが減るというデメリットがありますが、将来の年金増額、病気やケガの際の保障、出産時の手当など、長期的には大きなメリットがあります。

企業にとっても、保険料負担は増えますが、優秀な人材の確保や従業員の定着率向上につながります。法律で定められた義務でもあるので、適切に対応していきましょう。

もし加入条件について迷ったら、遠慮なく年金事務所や社会保険労務士に相談してくださいね。正しい知識で、安心して働ける環境を作っていきましょう。

💡 最後に:社会保険制度は法改正により変更されることがあるため、最新情報は日本年金機構や厚生労働省のウェブサイトでご確認ください。

📌 今すぐできるアクション

  • 従業員の方:自分の労働時間と月収を確認し、加入対象かどうかチェックしましょう
  • 企業の人事担当者:従業員数と短時間労働者の労働条件を洗い出し、加入義務の有無を確認しましょう
  • 経営者の方:2027年以降の適用拡大を見据えて、保険料負担のシミュレーションを始めましょう
  • これから働き始める方:雇用契約書の労働時間と給与額をしっかり確認しましょう

社会保険は「今の負担」より「将来の安心」

手取りは減っても、病気・出産・老後の備えが充実します。
長い人生を考えて、賢く判断しましょう。