目次
見どころ
正倉院宝物は、天平勝宝8年(756年)に聖武天皇が亡くなったときに、光明皇后が東大寺の大仏に捧げた品物から始まります。約1300年の間、驚くべき保存状態で守り継がれてきました。聖武天皇の遺愛品を中心に、大仏開眼会の関連品なども含めて、宝物の数は約9000件にもなります。正倉院展では、その中から、毎年一般公開される約60件(今年は初出陳6件を含む、合計59件)の宝物を17日間だけ見ることができます。開館時間が午前8時からとなったり、話題になっている今年の正倉院展の見どころを紹介。
今年の目玉は、聖武天皇の遺愛品目録である『国家珍宝帳』に最初に記された刺し子縫いの袈裟「九条刺納樹皮色袈裟」です。仏教に深く帰依した聖武天皇の強い信仰心が感じられる品であり、本展を担当する三本周作同館主任研究員は、「正倉院最高の名宝」と言っています。
「今年の目玉」は他にも3つあります。琵琶、鏡、スッポン合子です。 琵琶は、「楓蘇芳染螺鈿槽琵琶」です。背面(槽)のカエデ材を暗い紫色に染めて、アワビ貝で螺鈿飾りをした華やかな琵琶です。 絃を弾く部分には、中国・盛唐期の画風をもとにした山水画が描かれています。奈良時代の異国趣味が強く表れています。
鏡は、「平螺鈿背円鏡」です。正倉院には、螺鈿飾りの鏡が9面ありますが、その中でも大きな鏡です。背面の螺鈿細工は、ヤコウガイと琥珀で花文様を作り、トルコ石を地に散らした豪華でデザイン性が高い逸品です。
スッポン合子は、「青斑石鼈合子」です。スッポンの形をした蓋もので、両目に深紅色の琥珀が光っています。本物のスッポンと見間違うほどの精巧な作りです。三本さんは、「七星散という仙薬(不老不死の薬)を入れた容器だと考えられています。奈良時代の神仙思想がわかります」と説明。
同じ合子では、「宝相華」の形を一木で彫り出して立体的に表現した「刻彫梧桐金銀絵花形合子」も注目。
他にも、サイの角で作ったさかづき「犀角杯」や古代の染色技法で作った屏風「鳥草夾纈屏風」など、珍しい材や技法で作られた宝物も見逃せません。
宮内庁正倉院事務所は、年報『正倉院紀要』で、毎年の調査研究成果を報告しています。今年の紀要で報告があった「漆六角厨子残欠」「漆六角厨子基趾?」が初出陳されます。厨子の部品が破損などでばらばらになって伝わってきたもので、全体がどうなっていたかわかりませんでしたが、調査により、様々な専門家の意見をもとにして、復元図が作られました。その復元図も展示されます。
グッズ
正倉院展のグッズには図録,ファミリア正倉院展オリジナルバッグ,マグカップ,和紙とシルクのやわらかソックス,一筆箋,クリアファイルなどがあります。
正倉院展のグッズ情報はコチラ
所要時間
「第75回 正倉院展」で展示されている宝物は59点(北倉9件、中倉24件、南倉23件、聖語蔵3件)です。
出品リストはコチラ(PDF)
音声ガイドの所要時間は約30分ですから、
混雑状況にもよりますがササッと観るのであれば
1時間ぐらいで鑑賞できるとは思います。
じっくりと鑑賞したい作品もあると思いますので
時間に余裕があるときに行くことをオススメします。
音声ガイドナビゲーターは声優の木村良平さん。
音声ガイド貸出価格は650円(税込)
音声ガイドの詳細はコチラ
参考までに昨年の所要時間が記載されているTweetを紹介します。
正倉院展鑑賞。2時間みた。なかなかよかった。日時指定チケットで、毎正時には行列ができており、館内も混むので、30分ぐらいずらして入場するのがよいとおもう。混雑には波がある。ギャラリースコープ等は必携。肉眼では鑑賞不能といえる、ものすごくこまかい展示物もある。拡大写真はあるけど。 pic.twitter.com/FplzzmUtJu
正倉院展初日に。59件の至宝を2時間かけて堪能。奈良時代の細かな知識があると、もっと愉しめるんだろうな。芸術の秋ですね。 pic.twitter.com/1sHbGo4rZN
日によって混み具合が異なり、所要時間に差が出るため、リアルタイムで所要時間など時間に関係するTweetが表示されるリンクを掲載。
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一部 所要時間と無関係のTweetも含まれる場合があります。
また、所要時間に関するツイートが無い場合もあります。
正倉院展2023のチケット
「第75回 正倉院展」のチケット料金
予定販売枚数に達し次第、販売を終了します。
当日各時間枠開始時刻まで販売いたします。
奈良国立博物館観覧券売場での販売はありません。
チケットの詳細はコチラ
観覧料金 (日時指定券)
一般 | 2,000円 |
高大生 | 1,500円 |
小中生 | 500円 |
キャンパスメンバーズ学生 | 400円 |
レイト割 一般 | 1,500円 |
レイト割 高大生 | 1,000円 |
レイト割 小中生 | 無料 |
研究員レクチャー付き観覧券 | 3,000円 |
VR「正倉院 時を超える想い」特別上演会付き観覧券 | 3,000円 |
※障害者手帳またはミライロID(スマートフォン向け障害者手帳アプリ)をお持ちの方(介護者1名を含む)、未就学児、レイト割(小中生)、奈良博メンバーシップ・プレミアムカード会員の方(1回目及び2回目の観覧)、 賛助会会員(奈良博、東博[シルバー会員を除く]、九博)、清風会会員(京博) 、特別支援者は無料。
※無料対象の方は、「日時指定券」の購入は不要です。証明書等をご提示ください(小中生以下は不要)。
※キャンパスメンバーズ会員の学生は、奈良国立博物館と連携する特定の大学等に属する学生のみが対象となります。当日会場入り口で学生証の提示が必要です。提示いただけない場合には、差額をお支払いいただきます。キャンパスメンバーズ会員校等は、奈良国立博物館ウェブページでご確認ください。
定価より安くチケットを入手したい場合は、
ラクマやヤフオクなどネットオークションに出品されていることもありますから、
チェックしてみてください。
メルカリの過去のデータを見る無料観覧券が1,800円ぐらいで落札されているようです。
ヤフオクの正倉院展チケット出品状況はコチラ
ラクマの正倉院展チケット出品状況はコチラ
メルカリの正倉院展チケット出品状況はコチラ
金券ショップでもチケットを販売している場合があります。
展覧会のチケットは会期終了間近になると安くなるケースが多いです。
口コミ・感想
twitterでツイートされていた正倉院展の口コミ・感想を抜粋してみました。
特に注目の宝物が、聖武天皇の遺愛品目録『国家珍宝帳』の筆頭に掲げられた9領の袈裟のうち、さらに第1番目の「九条刺納樹皮色袈裟(くじょうしのうじゅひしょくのけさ)」。刺し子縫いの袈裟で、紺、淡い青、緑、赤紫など色の違いも分かります。聖武天皇が実際に着用した可能性が高いとのこと。→(続 pic.twitter.com/0c6p2Hzlij